TaiRa

牡蠣の王女のTaiRaのレビュー・感想・評価

牡蠣の王女(1919年製作の映画)
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いわゆる「ルビッチ・タッチ」の原点がこれになるらしいが、あんまり良くわかってない。ただ楽しかった。

カリカチュアされた大富豪の父娘と極貧王子とバカ家来の織りなす変人喜劇でとても楽しい。軽妙洒脱な乱痴気騒ぎという感じ。大富豪の口述をタイピストの女性たちが記録する冒頭のシンメトリー構図切り返しがウェス・アンダーソンみたい。豪邸の撮り方とか含め影響感じる。ウェスもルビッチ好きだよね。大富豪が豪邸内を移動する時の走り方とか動きが良い。部屋を破壊するオッシー・オスヴァルダの暴れっぷりも。花嫁修行で使う赤ちゃん人形の扱いの雑さとか投げっぷりの良さとか。極貧王子の汚部屋片付けも雑で良い。フォックストロット・エピデミック(踊り伝染病)なる狂展開もヤバい。スプリットで踊る足元を映すのも洒落てた。セレブたちがアル中患者の世話する為にボクシング始めるとかも笑った。セレブの慈善活動をバカにする感じって昔からあんだね。話は徹頭徹尾しょうもなかった。
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