エイプリル

インターンシップのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

インターンシップ(2013年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

雰囲気はありがちなドタバタコメディで、ストーリーも予定調和なものなのですが、その実ものすごくクオリティの高い映画でした。

まずジェネレーションの描写がめちゃくちゃ上手いと思いました。主人公二人がおちゃらけた大人で、青年たちが異様に攻撃的なのは、単に彼らの年齢差や性格の違いではなく、生まれた年代の違いであるということを、作中で「今の大卒の25%が就職できない」という一言で表現するところで一気に引き込まれました。これによって、「大人は青年から学び、青年も大人から学んだ」という物語のラストに説得力を与えています。変に「自分たちは時代の被害者だ!」と若者に感情的に演技させないところもクールです。
そんな風に、さりげないストーリーの展開がキャラクターの印象を少しずつ変えるように作用しています。初めは「若者に混じって浮かれてる場違いで情けないおっさん達」という印象の主人公達が、ピザ屋の営業の前にタクシーから降りてくる時には「大人としての矜持を持ち、若者を導くかっこいいヒーロー」に見えたところは映画自体の強ささえ感じました。こちらの印象なのか、撮影の方法なのか、あのシーンはいつもより二人が大きくも見えました。

一番キツく当たっていたチェティが実は一番彼らの可能性を信じており、インターンのための票を二人に投じていた…という展開もベタですけど良かったです。最後に二人を絶賛するシーンは「ダンブルドアかよ」とちょっと思いましたが…。

若者には若者で攻撃的になる理由がある、というところを彼らのバックグランドを描くことで見事に表現している一方で、グレアムには何のフォローもなかったのはちょっと可哀想でした。まあでも最後の腹パンは最高に気持ちよかったので、ヒールに徹してくれたのはそれはそれで良かったのかもしれません。

元々オーウェン・ウィルソンは好きなのですが、この作品でさらに好きになりました。序盤のアウェーな雰囲気は若干ストレスですが、それ以外は良いところばかりの映画でした。
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