ちょげみ

インターステラーのちょげみのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.0
ノーラン作品初視聴。

"稀代のヒットメイカー""21世紀最大の活動屋"などなど数々の異名で呼ばれている現代映画界を代表する監督であるクリストファーノーラン。
見たことはないけれどお噂はかねがね...くらいの興味度合いで今の今までスルーしてきた。

この作品を見るにあたり、もしかしたら噂が先行しているだけで実は大したことはないのでは...?みたいな気持ちが胸中を支配していたのだけれど、視聴前のそんな思いは本作のインパクト、完成度の前にあえなく霧散しました。

なんというかめっちゃすげぇ(語彙力)。
この作品が作られたのが10年ほど前だけれど、もしも10年前に劇場で本作を見ていたら以降は熱烈なノーランファンになっていたんじゃないかなぁ。



自分が感嘆したポイントは大きく分けて二つ

① 物語の終着点が序盤早々に明確にされていながら決してストーリーが一本調子ではない点。

誰しも作品の設計図が序盤で示されると同時に風呂敷の畳み方、結末を予想すると思うんだれけど、本作は結論の意外さもさることながら道中にもさまざまな仕掛けが施されていて、全く退屈することがなかった。

SF作品というのはどうしてもSF的な凄さが脳裏に焼き付いて(もちろん悪いことではない)その他の要素は後手に回ってしまう。
しかしこの作品を後に回想する時、つまり今はそれよりはむしろサスペンス要素のほう、作中に散りばめられた驚きやアイデア、期待と裏切りの新鮮さのほうに目が行った。

SFのジャンルの名を冠されておいてそちらの方も精彩を放っているというのは並々ならぬ良作である証左ではないかなぁと思う。



②理屈面でのすごさ、緻密すぎるプロットとエモーショナルな人間ドラマを高いレベルで両立している点。

作中で度々登場する用語というのは宇宙のことを何も知らない私にはちんぷんかんぷんなんだけど、それでも伏線を回収する段となると先にでてきた用語が急に輝き始めるのを感じる。

正直これだけでも満足度が高い作品になりそうなのに、あろうことか誰もが感動すること請け合いの御涙頂戴ヒューマンドラマをこれまた綺麗に嵌め込んででいる。

どちらかだけでも手に負えないのに終盤になると伏線回収と涙腺破壊ドラマが怒涛の如く押し寄せてきてオーバーキル状態、ノックアウト寸前だった。

視聴後の余韻がすごい映画は数多くあれどここまでさまさな感情の奔流に押しつぶされる作品というのはなかなかないんじゃあないかなぁ。



と、かように様々な魅力に富んでいる『インターステラー』。
今公開しているオッペンハイマーはもちろん、これから先は全てのノーラン作品に食指を伸ばしてみようかなぁと思いました。
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