父と娘の物語なんだなと。冒頭の「幽霊」とか「モールス信号」のエピソードがそこに繋がるのかぁと感動してしまった。量子力学なんかをバックとした「可能世界仮説」「多次元世界」みたいな話で、それゆえラストのブラックホールから時空の歪みで、幼きマーフとの出会いに繋がっていくのだ。一見突拍子ないようで、物凄く考えられたプロット。ノーランの作品を何本か観れば当然「時間」というテーマには思い至るんだけど、それだけでなく「責任(特に科学者においての)」「国家(アメリカ?)」「愛」といったものを繰り返し問い続けているようだ。それを宇宙や時間操作、あるいは実在の人物であるオッペンハイマーなんかを描くことで何度も描き続けているということが伝わってきた。マン博士なんかを描き出すことで、人間な嫌な部分もしっかり捉えようとしてて、贅沢な映画体験だった。IMAXの映画館で観るべき作品。