この後に及んでようやく観ましたよ。いやいや作り込みが凄すぎる。
●物理学者が考えた物語をそのまま具現化したような圧倒的理論性と映像。
●幾何学的な宇宙空間と対比される予測不能な人間心理。
これは他の追随を許さないやつだ。そして全ての答えが分かったときは息を飲んだ。凄すぎる。
この作品、スタートからラストまで全ての場面を見逃してほしくない。様々なところにヒントがある。私は眠くて後半を次の日に回して大きく後悔した。なにやってんだ昨日の自分。
ブラックホールをあそこまで映像化した作品が過去にあったのか??
物理的に正しい描写なんだろうなきっと。今作は実際に学者を招いて制作しており、今作で新たな論文が2つ書き上げられたらしい。その1つがこのブラックホールの描写なんだとか。
広大な宇宙で繰り広げられる探検の中で晒される人間のエゴ、自意識。美しい世界の中で醜く光る人間という存在の価値が危ぶまれるような感覚に陥る。
しかし人間のもつ一筋の美しい閃光。これこそが『愛』なんだな。これに関しては急に浅いやん!って気にもなったんだけど、たしかに『愛』は幾何学的に証明されるものではないが、確実に心の内面に存在する人間の動力源なんだよな。ここに人間の価値があるのだと私は認識した。
いやー美しい作品だった。隅々まで作り込まれた芸術品のような、上品かつ繊細な一本。相対性理論のごとく2時間50分という時間を感じさせない素晴らしい作品でした!