くじら

インターステラーのくじらのネタバレレビュー・内容・結末

インターステラー(2014年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

 テネットを観る前にクリストファー・ノーラン監督作を履修したくて字幕版で鑑賞。

 深く考えずに見たら愛は時空を超えるってこと?と、既視感?あなただったのね〜って感じの話だった。TARSは可愛いし、とうもろこし畑は監督のこだわりが見れてよかった。宇宙や星々の景色、本棚の空間などが綺麗で上手い。あとノーラン監督って好きな俳優さんをよく撮るなぁと思った。(アンハサウェイやマイケル・ケインを見ながら)
 物理には詳しくないのでふわっとしか認識できてないけど、愛は観測可能らしい。TARSの動きが予想外で驚き。プランBを支持していた2人の科学者のエゴがきつい。

あらすじ
 荒廃した地球。主人公クーパーは元宇宙飛行士兼メカニックだったが、食糧危機のためとうもろこしを育てていた。既に小麦やオクラなどの作物は育たなくなり、高等教育や医療技術も失われていた。
 ある日娘の部屋で起こっていたポルターガイストのような現象からのメッセージに気付きその位置情報を元にNASAの後継組織の基地にたどり着き、移民計画に協力するよう依頼される。既に他の星系に探索へ向かった研究者から人類が生存可能かのデータなどが送信され、その調査とスリープした研究者の回収をしに行く任務だった。そしてプランAは今いる人類が移民することを目指し、プランBでは受精卵によって種としての人類を存続させるものだった。
 この地球に未来はなく、子どもたちの未来を考え、宇宙へ行くことにする主人公。娘マーフとの別れの時に娘に時計を渡し時間のズレや娘と同じ年齢になるかもと言ってしまい、娘とお別れを言えないまま宇宙へ向かう。
 宇宙では土星付近から重力の特異点みたいな時空をねじ曲げるところ?をクーパーの操縦する宇宙船通って別の星系へ。その間にアメリアは何か高次元の存在に接触する。
 出た地点から近いが、重力が強く時の進みが遅い星に向かうことにしたクーパーたち3人。しかしそこは水があるものの超巨大な津波が起きるところだった。津波に襲われ、スリープしていた研究者は亡くなっており、津波にのまれて仲間を1人失い時間を浪費してしまった。主人公たちからすると数十分程度だが地球では時が流れてしまい、成長した息子には生存を諦められ娘と同い年になってしまった。
 次に向かう星について、アメリアは少し遠くあまり望みのない星に向かうと主張する。そこにはアメリアの恋人がいて、彼からの愛を感じるのだという。主人公はそれを否定し、もっと望みのあるデータがあったマン博士の星へ向かう。その頃地球ではマーフがアメリアの父である博士とともに重力の式を解こうとしていたが、今際の際の博士に実は今ある情報では式は解けないことを分かっていたこと、もともとプランAを果たすつもりがなかったことを告げられ、いつもの口癖を呟きながら博士は死ぬ。マーフはショックを受け宇宙へメッセージを送る。
 宇宙では、実はマン博士はプランBを果たすためデータを捏造していたことが分かる。それが隠せないと分かったマン博士に主人公は殺されかけ、マン博士の眠っていた基地に残ってデータを復元していた仲間は爆死し、マン博士に宇宙船を奪われる。
 なんとかアメリアに助けられた主人公。母船を奪われるわけにはいかないとマン博士を追いかけるも、TARSが手動操縦に切り替えていたことでマン博士が運転ミスして母船とステーションの一部が圧力差で吹き飛ぶ。主人公の運転テクのおかげで何とかステーションとドッキングできた。しかし燃料はなく、地球には帰れない。次はブラックホールのそばを利用して?アメリアの恋人の星へ向かうことに。途中で重さを落とすためにTARSと自分を切り離す主人公。そこで謎の空間に迷い込んだ主人公はそこが娘の部屋の色んな時空の本棚に繋がっていたことに気づく。そして今までメッセージを送っていたのが自分だと、そして重力に関するデータを娘に送った時計を通してモールス信号に変換して伝える。主人公は宇宙船に乗っていたアメリアと接触する。娘はそのデータを使って式を解く。
 主人公が目を覚ますとそこはコロニーだった。娘が式を解いたことで為し得たことで、名前は娘の名前からクーパーと名付けられていた。主人公は土星付近でTARSとともに救出されたのだった。年老いて今際の際の娘に私はたくさんの子供や孫たちに囲まれているから、アメリアが待ってると諭され、アメリアを救いに向かう主人公。アメリアが辿り着く前に亡くなっていたらしい恋人の墓を作って眠りにつくアメリア。

感想
物理について
 深く考えなければ万有引力と相対性理論くらいで話は流せる、高校生の物理くらいで。万有引力の問題で星の軌道を利用する問題とか苦手だったのを思い出した。
 3次元の私たちは2次元まで自由に扱える、5次元の存在は時に干渉できるというのが面白かった。あと愛は観測可能らしい、どの次元なんだろう。

人の物語について
 時の流れは物理現象だけど、人間に流れる時にはその人生とドラマがあるんだなと父と娘の時の流れを見て思った。この時間への感情の描き方が上手い。
 マン博士とアメリアの父のような傲慢さ?エゴが何故失敗したのかを考える。愛がないからなのか、何かを考慮していないからなのか。
 あと主人公の息子が、妻と子どもの呼吸器系の病気を医者に見せようとしないのもどういう心理だったんだろう。もうあの時代には医療なんてものもないか、かなり限定された人しか利用できなかったため信じられなかったり、科学を否定する考えが学校教育などからも染みついていたのかも。また、息子から見たマーフはどんな存在だったのか、父はどうだったのかを考えさせられる。
くじら

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