2週間ほど前に鑑賞しましたが、なんと言う余韻。未だにいくつかのシーンが頭から離れないし、映画の中で歌い上げられる曲もメロディーは憶えていないのに、堪らなくまた聴きたいと思う。
わたしが若い頃は日本もフォークソングがまだまだ人気だったし、ガッツリと世代ではないけれど、改めてギターひとつで歌詞に込めた思いを歌い上げるそのシンプルなスタイルは郷愁を誘う。まじいいわ〜❣️
インサイド・ルーウィン・デイヴィスと言うアルバムを出したものの鳴かず飛ばず。辛うじて馴染みのクラブでは聴いてくれる客もいるもののアパートも借りれず毎晩知合いを頼る。ある朝目覚めて家を出る時に、その家の飼い猫が一緒に出てしまいオートロックに閉め出され、やむをえず猫を連れて帰えって後で返すことにするも…
人がなんと言おうと、この生き方しかできない。
地味な作品だけど、キャスティングがさりげなくすんばらしい!
ルーウィンを演じるオスカー・アイザックの美しい髭面。
猫🐈は、特に活躍するわけではない。
住む場所もないルーウィンは、猫を腕に抱えて街を歩くだけでなく、相乗りでちょっとした旅にまで。この猫が意味するところは…
お荷物だよね。それはちょっとした責任みたいなものかもしれない。
彼は何事にも責任を果たせぬまま。
なにも成し遂げられない男。最後に残っているのは自分の夢。その夢を捨ててしまったら、彼には本当に何も残らない。
決して才能がないわけじゃないのに浮かび上がれない者たちが世の中には沢山いて、彼もその1人。
それでも追えるだけ夢を追い続ける。
何が悪い?
ボブ・ディランとボブ・ディランになれなかった男と果たして何が違うのか?
金の匂いがするか、しないか…?
その匂いって、きっとほんの一瞬の時間差で匂うこともあれば臭わないこともあるんだろうな。
ダメな男だけど、めっちゃ愛おしい。