ありんこ

殺人漫画のありんこのレビュー・感想・評価

殺人漫画(2013年製作の映画)
3.3
ひさびさの韓国ホラー。心霊+人怖を融合したストーリーはさすがだなと思う。一方で都合の悪い部分は全部霊のせいで誤魔化してる気がなきにしもあらず。ヒロインのイ・シヨンがトリンドル玲奈に似てるな〜と思ったら、ずっとトリンドルちゃんにしか見えなくなって困った😅

web漫画でヒットを飛ばすカン・ジユンだが、彼女の描いた漫画の通りに人が亡くなる事件が多発。彼女が動けば動くほど疑われていく流れは面白い。けど、もう一人の呪われた少女ソヒョンが出てきた辺りから、ジユンのヒロインの立ち位置が怪しくなってくる。ソヒョンは霊の声を聞くことができ、彼らの訴えを絵として描かずにはいられない。その迫力ある絵(つのだじろう巨匠に似た怖い絵!)と圧倒的なリアリティ(そりゃ本当のことだから)に実は嫉妬していたジユンは盗作し、漫画家デビューを果たしていた。一連の事件は行方不明のソヒョンの仕業なのか……と話が展開していくんだけど、もうね、誰も彼もが「じつは〜」のパターンなので、なんというか後出しジャンケン感が強くて、萎えた。ラストも「ああ、そうですか」としか思わなかったし。

ただ、創作と才能への業の描きかたがすごくよかったので、スコアはほとんどそこのもの。絵は上手いけど話は全然って漫画家さん、いるもんね。かと思えば自身の漫画でも人の原作でもヒット飛ばす漫画家さんもいたりして。『アマデウス』のサリエリに感情移入してしまうのは、才能あふれる人に嫉妬する気持ちが多かれ少なかれ誰にもあるからということ。
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