ちどりん

ノスタルジアのちどりんのレビュー・感想・評価

ノスタルジア(1983年製作の映画)
3.5
わざわざ難しく作ってあるかのように感じる内容といろんなことを表現したかのような絵画のような映像。

ひとつひとつに何か意味が込められているようである。
例えば、ミルクが溢れてたりする映像は覆水盆に返らずということを表していたり?
そしてドアを開けたら故郷がジオラマのように現れたりするのは故郷は自分の作った箱庭に過ぎない?
或いは主人公もこの監督と同じ名前であることから、これは監督自身の想いをあらゆる映像で表現したのか?
またドメニコの犬が自分の飼っていた犬と同じでドメニコを自分に投影させていたり?
自殺した音楽家もしかり。
女の人にストップと声をかけてこの陽の当たり具合が君を綺麗に見せるなどは監督自身のその場の声だったり?
やたら雨が多く鬱陶しい雰囲気は自分のモヤモヤした心を表していたり?
壁に描いた1+1=1などは当たり前に思っていることが正しいとは限らない?
などといろいろと勝手に解釈した。
途中からそう思って見ると探すのが楽しくなってきた。

結局故郷に帰らずしてこの世を変える夢を見て終わってしまう。。。

要するにこの映画自体が監督自身を描いた芸術なのかな。。。
いやよくわからない映画だった。

後ほどあちこち調べてみるとロシアから亡命を考えてやってきた主人公が故郷や残してきた家族の末路などを思って葛藤しているという内容らしいがもう一度見返しても日本人には亡命という感覚が乏しい為映像だけで判断するのが困難である。
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