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パン種とタマゴ姫のMoviePANDAのレビュー・感想・評価

パン種とタマゴ姫(2010年製作の映画)
4.0
『迷子になろうよ、
      いっしょに。』

三年前、やっと行けました。その森に。念願だった三鷹の森ジブリ美術館。中でも一番楽しみにしていたのが、映像展示室“土星座”での短編作品の上映でした。

僕ら夫婦が赴いた時にその展示室で上映していた作品。それがこの『パン種とタマゴ姫』です。
監督は宮崎駿。製作時期としては、丁度『崖の上のポニョ』と『風立ちぬ』の間。

映画館というには、少し小さな“土星座”。その空間で観る“映画”というものに、まだ小さな頃に実家近くの公会堂でワンコインを払ってみた“映画というもの”を思い出しました。

そう、映画って別に、どうしてもフカフカのシートやドリンクホルダが付いている席で観なければいけないものではないんだ!

魔法使いバーバヤーガの下で、働いているタマゴ姫。ちっちゃな体でガンバる姿はポニョを彷彿。そんなタマゴ姫をこき使うバーバヤーガは、まさに西洋版湯婆婆!なんたって、まず見た目にかなり近いものがある!そんなバーバヤーガが頬張る目玉焼き🍳は、ハウルのパワーアップ版といったところ。そして、命が宿るパン種。この動きはハウルで荒地の魔女が操っていた使い魔のよう。

とまあそんな感じに、千と千尋·ハウル·ポニョを経た宮崎駿監督ならではの内容。通常、既視感=マンネリと感じがちですが、それが宮崎駿監督だと喜びに変わるんだから、その辺本当にうまいなぁ(’-’*)♪

ただし、ただのミクスチャーでは終わらせてない。この作品、セリフがない。なのに、そんな事も気にもとめないほど夢中になれる面白さがそこにある。だから、劇場向け長編でなくとも、こんなに面白いものを作ってくれるなら今後は短編でもいいやって思っちゃう。

それが、また“ここ”でしか観れないってのが、商売ではありつつも粋な膳立てじゃあございませんか(*・∀・)つ

だから、また行こう。必ず。
その時はもちろん、最近ジブリにハマってる娘をつれて。
そして、迷子になろう、いっしょに。
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