『 再起のランタイム💨 』
初見時と再鑑賞でここまで評価が変わるとは!公開後すぐIMAX鑑賞した時より、自宅で2回目観た時の方が良く感じたのは何故?そこをポイントにレビューをしたためたいと思います。
「ゴジラ」シリーズにおける一旦の“終い”がそうであった様に「エイリアン」シリーズの一旦の終いも非常に虚しい作品でした。前者「ゴジラ FINAL WARS」、後者「AVP2 エイリアンズvs.プレデター」。どちらも劇場で観て「ゴジラFW」に1.4、「AVP2」には1.2を付けました。ちなみにこの「エイリアン:ロムルス」は最初3.0での記録を考えていました。
その理由、一言で言えば「全部乗せ」でしょうか。初見時はそれがどうも浅はかなものに思えました。また、シリーズ4作目までの魅力として、監督が毎作違う事による作家性の色の違いがあったと思います。その点、今作における作家性が皆無とは言わないまでも完全に商業に振った作りだなとあざとく感じました。また、どうにも空間の描き方、時間経過の描き方が上手くない様に感じました。まず空間の描き方について、途中の“こっちからあっち”への展開が初見時分かりにくく感じました。事前のこちらへの全体構造の刷り込みがさらっとレベルなので、クライマックスのあの場所への誘導含めイマイチ分かりにくい。あと、シリーズ定番のタイムリミット·サスペンスについて、残り時間の迫り方に対し緊張感が無い!その辺り、もうかなり残り時間少ない時点で劇伴が落ち着いたりしちゃう場面もあって、せっかくの設定を活かせてない...と、残念に思ったりもしました。あと、あのキャラを登場させる意義とか、いやそんな風に宇宙漂うか?とか、バレずに通過せよ!な場面へのそもそもの突っ込みとか、不満点上げたらキリが無い...
ここのところ思う事があります。
映画をレビューするにあたり、その映画を2回観ると理解度がかなり違うなと。当たり前の事を言うなと怒られるかもしれませんが、例えば劇場鑑賞時3.0を付けた「プロメテウス」は今、半年毎に観たくなる程好きな映画になりました。今改めてレビューしたなら、もしかしたら満点付けちゃうかもです。それ位1回目と2回目、それ以降でまた評価というのは変わるものなのだろうと感じます。その点ひとつ前にレビューした「アーガイル」も2回観てスコア上げましたし、今作も然りです。
物語の導入は前後関係考えると突っ込みどころ有り。ただ「エイリアン4」のリプリーよろしくシリーズをレザレクション(蘇生)する為には致し方なかったのかなと。さて、今作は人生に行き詰まった若者たちが主人公。キャストの若返りを図りつつ、「ドント・ブリーズ」と通ずる設定にする事により作家性にも繋がる。また、非常にシンプルな話故今までを知らない新規顧客を迎え入れる作りにもなる。初見時あざとく感じた「全部乗せ」も、2回目観たら感心に変わった!作家性<商業性のバランスも、風呂敷を広げすぎたとこからの軌道修正、古参ファンへの目配せと新規顧客獲得の為の要素と考えれば合点がいく!てか、これだけ全部乗せ全部盛りでバランス保ってるのむしろスゲェわ!フェデ監督、お見逸れしました🙇♂️
「過去作からの引用ばっかで中身が無い」という意見もある様です。その点、初見時やや否定派だったボクからすればそれは分からなくはない。しかしながら今作、今までにない見せ方や要素もたっぷり盛り込まれてる意欲作だと思う!大挙として押し寄せるフェイスハガー、ゼノモーフの新たな形態描写、無重力空間での攻防等々。あと大きく印象が変わった場面として、初見時分かりにくいと感じた“こっちからあっち”へのシークエンス。これ2回目観たらめっちゃアガった⤴ 特に宇宙ステーションの窓に順々と差し込む光、その描写がめっちゃカッコ良かった!そして、あの移動が今作を挟む偉大な初期2作の橋渡しになってるという映画的な空間移動になっているというのも素晴らしきアイディアと感嘆!シリーズを今後に繋げるまさに“新たなる希望”になる復活作になったと思います。
しか〜し、前述のあのキャラの登場はいまだに解せない!いや、驚いたし興奮はしたんですよ。でもさぁ、結局これだけ現代技術駆使してもやっぱ違和感ありあり!実は今回観直した理由のひとつに、そのシーンにお直し加えましたというニュースを見たからという事もあったんです。でも、違和感の軽減には繋がりませんでした。個人的には度々の登場がノイズになりました。遠目に映す、もしくは全編モニターでの登場に終始。それで良かったのでは?でもケイリー・スピーニーがとにかく良かったからオールOK!?ボクの中でリプリーは永遠に最高のヒーローですが、もし“この次”があるならレインが主役のつづきも観たい。そうしっかりと思わされる意欲作でした🐼