かなち

グランド・ブダペスト・ホテルのかなちのレビュー・感想・評価

5.0
ずっとずっと観たくて、でも人生の中で特に煌めきそうな映画は「今だな」というタイミングまで取っておく私。
遂に観ました。

だいすき。大好きすぎる。
シンメトリーで、パステルカラーよりは鮮やかで柔らかい色が多いけど、そのおかげでパキッとした色合いも喧嘩せず調和が取れて印象に残る。
全部が豪華で、全部が綺麗やのに、精巧に作られたミニチュアみたいで、愛おしい。

ホテルの中で見るグスタヴは紳士で高貴なのかと思うけど、ゼロを通して知っていくグスタヴの人間性はちょっとしたたかで、プライドも十分にあるけど、怒りに任せた失言も心から謝れるし、部下も守る人間的すぎる人。

唐突なちょっとしたグロも「ええ〜!笑」ってちょっと笑っちゃうけど、不要な訳じゃない。

出てくる人たち、みんな愛しいからその後のことがちょっと寂しいけど、でも実際の人生も途中どれだけ華やかで煌めいて幸せの絶頂でも、悲しいことはこっちの都合に合わせては来ないし、この映画やからこそ変に「みんな幸せに暮らしましたとさっ♪」みたいにならないでくれて良かった。

インスタの映画紹介の投稿で「女の子におすすめの可愛い世界観の映画」って紹介されてたけど、「女の子が好きそうな映画」として扱われると、もうこの上なく勿体無い。

この映画に限らず「女の子だから好きそう」「男の子だから好きそう」って性別で好きになれるかもしれない物の幅を狭めるのは、どうしても勿体無いと思ってしまう。
当たり前だけど、好きな人は好きだし、合わない人は合わない。

変に脱線してしまった。
とにかく「明日の仕事ちょっと頑張りたい」と思える映画だいすき。
明日はちょこっと香水つけて仕事行く。
かなち

かなち