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グランド・ブダペスト・ホテルのyayuyoのレビュー・感想・評価

4.0
ウェス・アンダーソン作品は
淡々と話が進んでいくのが
すごく好きなんです。
ザ・ロイヤル・テネンバウムズを見た時からずっと
ウェス・アンダーソンの虜です。
中には合わないものもあったし
疲れてる時に見たら絶対に寝ると思うけど!

ブラックすぎるユーモアと
グロいシーンがてんこ盛り。
グロいの苦手なんですけど
まるでコントの様な演出だったからか、一瞬ひぇーってなりましたが意外と大丈夫でした。

ホテルの内装、メンドルのお菓子、鍵、衣装
全てがデコラティブで
ピンク、赤、青、紫、
色の洪水が押し寄せてきます。

ストーリーも美術面も
こういうドギツイものは大好きですが
好みが分かれそうでもあります。

そして、間違いなくオシャレ映画だとは思いますが
作品には戦争の臭いも漂っていて、案外シビアなお話です。
架空の国が舞台ですが、
ウェス・アンダーソンが参考にしたという作家ツヴァイクの生まれた国
オーストリア=ハンガリー帝国がモデルでしょうし
(ホテル名も、グランド・『ブダペスト』・ホテルですね)
明らかに電車内のファシストは
戦時中のナチスを彷彿させます。(調べたところ、彼の作品はナチスによって発禁処分になったそう)
ツヴァイクは戦争のない世の中を、という思いで作品を作り、しかし道半ばで亡命し、絶望し、最後は自決されたそうですが
近年の世界情勢を見るにつけ
監督が彼の作品を参考に映像化した事を深読みしてしまうのは
考えすぎ?
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