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グランド・ブダペスト・ホテルのikoanのレビュー・感想・評価

3.9
なんとなくファンタジックな冒険コメディ。ウェス・アンダーソン監督、主演はレイフ・ファインズ。
独特の色遣いと書割の様な背景、ちょっとテリーギリアムの様な感じ、固定カメラで額縁の様な絵、そうそう、画面の縦横比も独特。なんか正方形っぽいんです。(場面によって何種類か使い分けていたみたい)
主人公は伝説的コンシェルジュ グスタブと弟子のベルボーイ ゼロ。
話は1930年頃、ズブロッカ共和国という架空の国、コンシェルジュのグスタブさんが、客の貴婦人達に夜もご奉仕するんですが、これが80代のお婆ちゃんだから驚きます。グスタブさん80過ぎのおばあちゃんとの夜の事、意外にいいんだよ、なんて宣ってます。
こうした夜のご奉仕もあってかグスタブさん、お客様に大人気、大富豪のお客様から遺産まで貰えるほどなんです。この遺産を巡って、無実の罪を着せられた上、殺し屋からも狙われ踏んだり蹴ったりなんですが、グスタブさん、少しも動じず、ゆったりと構え、ゼロを従え真相解明にあたります。ちょっとキザではありますが、なかなかいいんですよこの感じ。
投獄されたり脱獄したり、波乱の展開。いや〜、楽しめました。
この物語、シュテファン・ツヴァイクという作家の人生や著作がモデルになっているそうです。こちらも相当波乱の人生だったみたいです。
映画でもナチを思わせる軍の検閲が有ったり、その後の悲劇も語られるますが、あまり深刻な感じはなく、あくまでも架空の話って印象です。
ズブロッカ片手に楽しめる傑作!
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