レインウォッチャー

47RONINのレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

47RONIN(2013年製作の映画)
3.0
■RWと48の地獄㊱
奪われた体の一部を取り戻すため、RWは大晦日までに48の魔物を倒さねばならない!奴等は地獄映画の中に潜んでいる…

□戦績
時代劇かと思ったら、モンスターハンターが始まったでござる。

想像上のトンチキNIPPONを舞台にした映画は色々あって、その都度賛否が起こったりもするわけだけれど、もうここまでやったら仕方なくね?っていう世界。
藩主はアジアンごた混ぜのファンタジック城を構え、出島には地下闘技場、外人=天狗は比喩じゃなくマジ。あたしゃ知りませんでしたよ、《忠臣蔵》って伝言ゲームを繰り返すと出口では《薄味のロードオブザリング》になるんですね。

というわけで、受容の境地に立ち、かつ日本史や忠臣蔵に特段のこだわりがなければ、摩擦係数ゼロで観れてしまう作品だとは思う。衣装や美術はリッチに見えるので、この手の世界観の中で日本人キャストがちゃんと映えているのを見られるのは貴重であり、やっぱり嬉しい。

それに困ってしまうのが、『ジョン・ウィック4』後の世界線で今作を観ると、キアヌ・リーヴスと真田広之が仲良くチャンバラしてるだけで無条件にエモく感じてしまう…ということだったりする。

ただ、色々な諸々に目をつぶったり下駄をはかせてもこれだけは頂けないのは、「血が流れない」ことだろう。
侍たちによる斬り合いメインのバトルが展開され、盛り上がりポイントとしての斬首や切腹シーンもあるのに、ことごとく流血はスポイルされている。別になんでも『テリファー』みたいにしろってわけじゃあねーけど、瞬間的に熱が冷めちまうんだぜ。

いっそもっとアホな映画にすればよかったのに…とか思うけれど、これ当人たちが観たらどう思うんだろうか。もしわたしがYouTuberだったら、「47人のイタコに赤穂浪士を降ろして『47RONIN』鑑賞会やってみた」って企画をやるんだけど。


□倒しかた
今作の標準言語は英語で、日本人キャストも英語で話す。で、吹替版では本人がその声を当てている。自分の吹替を自分でやる…ってどんな体験なのかしら。そこはかとない罰ゲーム感を感じるのはわたしだけだろうか。

観てると口の動きと出てくる言葉が嚙み合わないことが違和感で、もちろんそれってふだん他の洋画の吹替でも同じことが起こっているはずなわけだけれど、演者が日本人というだけでそのギャップが強調される感じがして、ちょっとした脳のふしぎを体感した。


□分類
これを大和魂と言われましても地獄


□取り戻したパーツ
朱肉(血判用)


□次回予告
緑歴史!グリ●●・●●タン!
>>To Be Continued...