地上波で少し前に録画してたのを鑑賞。前情報一切無しで観てみたけど、まさかのトニー・スコット総指揮、リドリー・スコットも制作に名を連ねてた。
内容としては環境テロリストに潜入した民間会社のスパイもの。
テロリスト側を悪く描くわけでもないどころか、割とそちら側に肩入れした作品かなー。
ぼんやり観始めた割にそんなに悪くなかったけど、ちょっとどちらの側も型にはめすぎなんじゃないの?とは思う。
環境テロリストがあんなに過酷な生活をしているかと言うと甚だ疑問、と言うかみんなじゃないだろうな。本作で描かれているのはその中でもかなり文明社会と断絶された極左ナチュラリストって感じもある。
俺なら残飯食うとか嫌だわ。
テロリストの中の主要人物については、何故そんな活動をするのかのバックボーンも語られて人間として描こうとしてるのはわかるんだけど、なんか薄っぺらい。ただの御涙頂戴なのよね。
一方の主人公の女ボスもわかりやすいくらいの冷徹な資本主義者として描かれてるんだけど、類型的で掘り下げが足りない。
でも面白いシーンや演出もあって、主人公が潜入後にテロリスト達と食卓を囲むシーンで洗礼を受けるんだけど、つい「なるほど!」と膝を打った。
それと、テロリスト側の一人が聾唖者で、彼女との会話は当然手話なんだけど、これは上手い設定。
身を潜めなきゃならない緊迫した状況で会話するのに手話なら問題なくストーリー進むもんね。頭いいな。
しかも主人公が手話を扱えるという設定や意味まで付加できる(まあそのあと一切活かされない設定なんだけど)。
役者陣も面白くて、主演のブリット・マーリングという人はまったく知らない女優さんだったけど、いい。地味なんだけど綺麗。特にこの青い目はなかなか印象的。
それから、後にエリオット・ペイジとなるエレン・ペイジ。「スーパー」や「インセプション」ではあんなに可愛かったのに、本作では皮肉たっぷりでかわいくない。でも、気難しそうで影のある役が合ってた。
テロリストのリーダー、アレクサンダー・スカルスガルドは最早説明不要の一家の長男。
そう考えると割と良い俳優を揃えてるんだけど、物語が良くなかった。中盤までは割と骨太なストーリーでじっくり進むし、サスペンスもあるんだけど、それが途中で失速してる。ラストもよくわからんし。
そういえば基本的にずっと曇ってたな。あえてなのかな?ずっと曇ってるからなんだかロンドンが舞台のように思える不思議な作品。ずっとアメリカにいるのに。