垂直落下式サミング

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャーの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

5.0
ファルコニスタ必携の最高傑作!
世界の危機にふたたびスティーブ・ロジャースが立ち向かう。宇宙最強戦士ファルコンが登場するキャプテンアメリカ第二作目。
ストーリーは、S.H.I.E.L.D.のメンバーとして活動していたキャプテンアメリカをウィンターソルジャーと名乗る暗殺者が襲撃してなんやかんやみたいなかんじで、そのなかでアメリカ政府内に入り込んだ裏切り者の存在が明るみになっていくというもの。
敵はナチスの残党らしいが、ここに出てくるのは旧態依然としたファシズムではなく、現代にあわせてかたちを変えた統治思想だ。この悪の有り様は、創作とは言え現実味を帯びたもので、よく考えられている。ショッカー的なやられ役が時代を経て変化し行き着いた組織形態として、かなり進んだものだと思う。
スーパーヒーローを下敷きにしたポリティカルアクション風味が効いていて大人な映画の雰囲気だが、そんなことより重要なのは満を持して最強戦士ファルコンが登場したことだ。
ファルコンはネイビーのシャツにグラサンをしたおじさん。機械の翼で飛ぶチャカの達人で、元アメリカ空挺師団落下傘部隊出身のエリート軍人であり、現在は退役軍人省勤務で心的外傷を負った兵士たちのケアを行っている。日課のランニングでは、後ろから抜かしていく人に道をゆずる。真の愛国心を持つ義の男なのである。
本作では、現在の映像技術では実写化不可能と言われた最強戦士っぷりを遺憾なく発揮しており、敵の巨大空母から発射された追尾ミサイルを上手にかわし、ビルの41階からヘリコプターに跳びうつるなどして、勝利に貢献していた。
無敵の超戦士、ヒーローの原点、原点にして頂点、アベンジャーズを牽引するもの、宇宙の守り神、でありながらそれを鼻にかけない人格者でもあるファルコン。新入生扱いの本作では仲間とのカップリング関係を築けていないが、後のシリーズでは無職のドロボウとのタイマンの末に敗北するお茶目さもみせていく。他にも、フリースタイルバトルでエミネムに負けたり、マーク・ウォルバーグとドウェイン・ジョンソンと組んでフィットネスをしながら金持ちを誘拐するなど、独自の路線で活動の幅を広げているようだ。
エンドゲームの闘魂継承で泣いたこと。
キャプテンには内緒にしておいてくれよ…。