【ドーピング・ドリームチーム】
70年代ソングがオイシイ!と聞き、みてみましたが、その点は評判通り。特にチェリー・ボムをそこで使うか!と感心した。
大量殺戮やらないと娯楽を紡げなくなっている所は相変わらずのハリウッドでしたが、70‘sの甘さが殺戮も甘いトーンに誤魔化せておりアイデアを感じます。音楽の力がなければ凡作だなーと思いましたけどね。
主人公ピーターはアブダクトされた過去をすっかり忘れたように見え気持ち悪い。他界した母に父を待てと言われたのに何故、自立した後でも地球に帰ろうとしないのか?…ってここに突っこんじゃうと70年代ソングの存在理由も崩れて来るのですが(笑)。
まあ、父親の問題は後出しジャンケンのようにある事情が見えてきますがそこで、せっかくチームの物語なのに、元々特別な人間が独り、特別な力で宇宙を救わんとする、キリスト教的願望も透けて来てシラケてしまった。
彼に寄り添うヒロイン最後の台詞、私はものすごく違和感ありました。
ピーター以外の人物は、それぞれ愛嬌あって好きにはなれますが、自分の過去は慌ただしく自己紹介して終わりだからどうにもペライ。だからかやることも他人事に映ります。人物が物語に引きずられる成り行き感が強くて、後味は痛快ではありませんでした。
ゾーイ・ソルダナ演じるガモーラが一番眺め甲斐あったけれど、ゾーイさんて体型スラリでボンキュボンでないから、本作のコスはイマイチ映えませんね。
ただこのチーム、大きく・強く・早く、なドーピング・スピリッツで造られた人物ばかりが集まっており、アメリカらしいな、と妙に感心しました。アベンジャーズもそうでしたけどね。
続編に食指は動きませんが、同じく音楽の使い方が巧ければ、音楽を引き立てるためのオカズ的映画としてまた楽しめそうな気はします。
<2014.9.21記>