戒厳令下~現代までの台湾を舞台に、三人の男女の27年間を描いた台湾映画。
個人的な事情から社会情勢まで様々な要因によって理想的な関係が崩れてしまったにも関わらず、それでも理想的な関係であろうとする三人の必死にもがく姿が静かに、でも心の奥深くに突き刺さる映画。
個人的には民主化後である1997年の三人の行き詰まり感が全編切なくてやるせなかったですねぇ。あの年相応に色々背負ってるものとかさ。
1985年の身軽さを考えるを本当に切ないなと思ったり、自分と重ね合わせてみてさらに切なくなったり。
この作品で描かれる文化は日本のそれととても親和性が高く、馴染みやすいものが多い中に、今の日本では全く馴染みのない厳戒令や学生運動が描かれているため、とても不思議な味わいのある映画になっていたように感じました。
でも最初で最後である2012年のシークエンスは、後々語られる話の布石であり、結晶であり、台湾の若い世代の意思の強さだったりととても素晴らしいシークエンスだったと思います。
普遍的な男女の物語だけでなく台湾の歴史も学べる映画です。とても良い映画でした。