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ミケランジェロ・プロジェクトのmacotchanのレビュー・感想・評価

3.5
※ 昨夜、寝落ち寸前の朦朧とした頭で書いてしまったので、一部修正・加筆しました。

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ジョージ・クルーニーが監督を務める今作の舞台は、第2次世界大戦も終盤の欧州。
人類の遺産たる美術品の数々をナチの略奪から保護・保全することを目的とした闘わざる特殊部隊──“モニュメンツ・メン”──の戦いのお話。
実話がベースの作品ですが、映画用にだいぶ脚色されているそうです。

さて、構成メンバーは美術館館長に始まり、学芸員、建築家、彫刻家、美術史学者など、およそ戦争と対極の位置にいるような人たちばかり。
こんな人たちが危険な戦場を駆け回り、美術品の奪還・回収に命をかける姿にロマンを感じます。

命をかけるといえば、今作の大きなテーマとなっているのが
『芸術品は、命をかけてまで守る価値があるのか?』
です。
うーん、難しいテーマですね。
「命の方が大事!」と言うのは簡単ですが、それによって偉大な芸術品が失われるのだとしたら…後世に残すことができなくなるのだとしたら…もし自分がそんな芸術品を愛してやまない人間だとしたら……むぅぅ…悩んでしまいます。

そんな重いテーマを内包しながらも、作品自体は軽妙なノリでサクサクと物語は進みます。
その“あっさり感”にジョージ・クルーニー監督作らしさが感じられますね。
ただし、ノリを軽くしコミカルにすると、戦場での命のやり取りのさなかの任務であるという緊迫感がどうしてもスポイルされてしまいます。
ですが今作は、あえてそのような演出にすることで、エンタメ作品として仕上げると同時に、余計な要素を極力削ぎ落とし、失われようとする美術品とそれらを奪還・保護しようとする人たちの姿だけを浮き彫りにしようという意図を持っているように感じました。
とはいえ、個人的には「もう少し重厚に仕上げても良かったのでは?」と思いますが。

そのうちTV『アンビリバボー』あたりで特集組まれそう。
いや、もう組まれているのかな?

そんなこんなで、今作の総評は──
「特別お金を出してまで観るほどでもないかな」
でした(;´Д`)
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