爆裂BOX

スモークの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

スモーク(2012年製作の映画)
3.7
看護師のアナの乗っていたバスが事故にあう。目覚めると自宅のベッドで町には人気がなく、人を捜すうちにバスに同乗していた男フレディと出会う。二人は町の外に脱出しようとするが黒煙に遮られ…というストーリー。
無人となった町を彷徨う男女の謎と恐怖を描いたスリラーです。この手の作品はもうオチは夢オチか実は死んでますオチと限られてきますね。この作品も冒頭で主人公がバス事故にあうのでどっちかだろうな~と予想できます。
アナとフレディは人を探したりこの世界からの脱出方法を模索しますが、町の外に出る道路は黒い煙のような物で覆われており、更に刻一刻と町を覆い始めていた。更に意を決して煙の中に入った二人は怪物と遭遇するという内容です。
二人が町から脱出しようと彷徨う内に過去の記憶が実体化して現れ過去の自分と向き合う事になるというありきたりな物ですが、見せ方や雰囲気がいいのかグロやエロがない地味な作品ながら楽しめました。
お互いの過去の記憶を見ていく内に接点がないと思われた二人に意外な繋がりがあると解る所もベタながら楽しめましたね。
また、結構早い段階でオチをばらすのも意外でした。割と最初の方で主人公二人も現状の可能性を探る中で「二人とも実は死んでいる」説を出す所も面白いですね。特にフレディは働きながら漫画も描いてるだけに非現実的な可能性も否定せずに考慮していきます。
今いる世界が二人の書いていた漫画だったり、子供の時に書いた脚本が反映されているという設定も「サイレントヒル」っぽい感じ出してて良いですね。無人の町を彷徨う所もゲームの「サイレントヒル」っぽい。
終盤から登場する怪物はちょっと蛇足気味ですが、スーパーマーケットで材料を集めて自家製爆弾を作る所も面白かったです。
オチも綺麗にまとまっていたと思います。一風変わったラブストーリーともいえますね。しかしいくら異世界で苦楽を共にして惹かれあったとはいえ、子供の頃にわざとじゃないとはいえ親代わりにあれだけ可愛がってくれたおばさんが死ぬ原因を作った男とよくあれだけアッサリ恋仲になれたなぁ。真実知っても恨み言の一つも言わない所はかなり違和感感じました。
何処となく「ランゴリアーズ」を彷彿とさせますね。
「ウォーキング・デッド」ファンとしてはソフィア役のマディソン・リンツが幼少時代の主人公役で出ていたのも嬉しかったですね。
演出が良かったのか地味ながらもこの手の作品の中では結構楽しめました。