このレビューはネタバレを含みます
美しい女性たちの肖像画で埋め尽くされたあの巨大な壁面と、それ故に強調されるクライマックスの壮絶な空虚感、この対比のインパクトには圧倒されました。
ただ期待値が高過ぎたのか、思っていた所までは連れて行って貰えなかったという印象を拭えません。もちろん凄く丁寧に創られた優れた映画なのは間違いありませんが、何かしらパズルのピースが上手く填っていないような感じがするのです。オートマタに含められた寓意も腹にストンとは落ちてくれず、主人公がオートマタの一部品になってしまったかのようなラストシーンの残酷さもかなり居心地が悪い。うーむ、僕にとって”凄い映画”とは言えますが”好きな映画”とは言えないようです。