りんじん

鑑定士と顔のない依頼人のりんじんのネタバレレビュー・内容・結末

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

恋に落ちた気難しい老人の滑稽さを押し出したストーリーで、ああ、そういえばこれミステリーって紹介されてたなと最後に思い出しました。個人的にはミステリーというよりシニカルなシュールギャグといった風情。
序盤から色々と依頼人と場所に不審な点や不可解な部分が多かったり、友人との歪な関係性だったり、少し引っかかる種々が伏線になっていたらしい。自分は他の人の考察でようやく伏線だったと気づく始末。作品全体から滲み出る無情さも含めて味わい深い面白い映画でした。

ただ、ヴァージルはヒステリックで無礼で顔を見てもいない人のどこに惹かれたんですかね?恋を自覚した後の、偏屈なりの健気さ、プライドが高い故の醜さは丁寧に描かれていただけに、唐突に感じました。

「あなたしか頼れる人はいないの」とか「周りの人が受け入れない部分も私なら理解してあげられる」って詐欺師がよくやるやつ。アナ雪のハンスとか。そんな自分に都合の良すぎる恋人が見つかったと喜んでいる皆さん、お気をつけ下さい。
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