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鑑定士と顔のない依頼人のYのレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
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【こわい】

何通りもの解釈ができる映画。

監督はデヴィッド・フィンチャーですか?って感じの展開。『ゴーン・ガール』で嫁の消息が判明するタイミングと同じように、物語中盤で「顔のない依頼人」の顔がわかるけれど、それが分かってからの展開がすごい。

ラストにあえてシャッフルされた時系列が考察の幅を広めています。
どのシーンを終止符とするか、個人によってかなり解釈も変わってくるのがおもしろい。

もはやホラー。種明かしのシーンでは漠然とした恐怖と同時にもう声も出ませんでした。

言い切らない物語、不安定にされた状態というのは本当にこわいですね。
偽物の中から自分で本物を探す。
久しぶりに物凄く衝撃的な映画体験でした。

オープニングのヴァージルの軽快で洗練された日常生活の映像がお気に入り。あの理性的な整然さが後半につれてボロボロになっていく様にも注目してもう一度みたい。
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