Torichock

進撃の巨人 ATTACK ON TITANのTorichockのレビュー・感想・評価

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(2014年製作の映画)
3.8
「進撃の巨人 Attack on Titan」

水崎綾女のお尻と、巨人のルックに全ての点数を!

毎年、年に何本か定期的にに行われる、"輝け!最低実写化映画祭"(自分が勝手に命名した祭り)の、本年度の本命映画。

こんなの、絶対みんなボロクソ叩くじゃないですか?
そんなの目に見えてるじゃないですか?
原作と違うだ原作レイプとか言うグループには入りたくないじゃないですか?
諫山さん自身の希望に沿った脚本だってことも知らないで叩くじゃないですか?
つまり合意のアレじゃないですか?
僕はそんなことしたくないじゃないですか?
ちゃんと、一本の映画として見るのが筋ってもんじゃないですか?

ということでそういう視点でいきます。

とかいって僕...原作を一巻でやめたんですよ。絶対面白いとオススメされたんですが、あまりにも中二病感が強くて。(ファンの人ごめんなさい)
なので、今回はまだアドバンテージは僕にあるぜい!とか思ってて。
しかも、監督は樋口真嗣監督じゃないですか。"ガメラ"とか内容は覚えてないのに、すごい怖かったことは子供心にもまだ覚えていたし、前作、"のぼうの城"の水攻めのシーンが、震災の影響でごっそりカットされたとの噂もあったし、そのフラストレーションを、巨人にぶつけてくれるのではないか?と、期待もしていました。
とはいえ不安もありました。
設定や世界観や日本映画の予算的な点もありますが、やっぱり一番の問題は俳優・三浦春馬。
僕は、彼の演技がもう無理なので、樋口監督や町山さんや優秀なスタッフが長い時間と年月を費やして構築した世界観とかそういうものを、壊しかねないと思ってて、すごい不安でした。

で、鑑賞後の感想。

期待していたところは期待どおりで、不安なところは不安が見事に的中した作品でしたわ。

まずは、ダメだったところとかイラついたところ。
本当に三浦春馬の演技は観れたもんじゃないくらい酷い。キャラクター設定でウザいことは仕方ないにしても、何もかもがワチャワチャしてて大袈裟でオーバーアクト。
三浦春馬と三浦貴大がオーバーアクト上等で喧嘩するんですが、この二人の三浦が一刻も早く巨人に食われて死んでしまえ!と思わずにはいられないくらい、うるさいんですよね。いちいち顔もうるさいし。
例えばなんですけど、最初の壁が崩壊するシーンで、水原希子と本郷奏多くんは頑張って壁の崩壊から逃げる演技をしてるのに、その最前列でタコ踊りみたいな倒れ方するんですよね...(予告でも見れます)演出あれでいいんですかね、と思わずにはいられないシーンでした。最後の対決シーンでは、もう演技とかどうでもいいくらい巨人大暴れだったので気にならなかったけど。やっぱり苦手だ...

あともう一つ、すごいイラついたんですけど、武田梨奈ちゃんが演じるキャラクターがパッとしない男とずっといちゃついてるんですよ。
あまりにもそれが目に余るので、パンフ買って確認したんですけど、辛い状況の中で出会い強い愛に落ちた設定らしいんです。

でもね、その見せ方がそんな過酷な中で築く愛に全然見えないんですよ。
そこらへんにいる、ただのバカップルにしか見えないというか。
飯の配給のシーンがあるんですけど、エレンがまたなんか人に食ってかかって、みんなが腹減ってるのになかなか進まないんですよ。僕、人を待たせるの嫌いだから、そのシーンですごいイライラしてしまって。で、その言い合いしてる最中でも、奥でこのバカップルイチャついてるんですよ。それが見えた瞬間、イライラがMAXになってもう本当に腹立って、自然に舌打ちが出ました。
後半にも、こいつらのイライラシーンは用意されていて、それはもう...
思わず、"こいつらさっさと死ねよ"と野次ってしまいました。
最期は、ざまぁみろ!という快感もあってよかったです。

そんな常軌を逸したバカな連中に耐えられなくなったキャラクターがいて、本当にその子たちが最高でした。
まずは本郷奏多くんのアルミン。
三浦春馬と水原希子の実在感のない主要キャラクターの中で、唯一この世界観をしっかりと表現してる恐怖と希望を使い分けた演技がよかった。本郷奏多くんがいなかったら、悲惨なドラマはもっと悲惨な出来になっていたのではないでしょうか?

あとは、キャラクター的にたまらなかったのは松尾諭さんのサンナギっすね。巨人を投げちゃうというアホか!というギャグ要素。あのまま、エレンも投げちゃえばとか思ったんですけど、それは言い過ぎですね。
また、桜庭ななみちゃん演じるサシャの大食いのイモ女っぷりが、すごい可愛いし、戦闘シーンはめっちゃカッコよかったんです。可愛い、ファンになりましたわ。
あとは、水崎綾女演じるヒアナ。
もう、最高でした。
ハッテン場でのシーンは、今年の日本映画史上最もエロいシーンでした。特にあのケツ!最高かよ!この映画の点数的には巨人と水崎綾女のケツに点数あげたいくらいよかったです。
おそらくこのエロいシーンは、生き残りをかけた戦いという意味でも、生と性が非常に大切な意味を持ってるし、絶対に必要だったと思います。

ミカサが、ただの嫌な女にしか見えない作品なので、僕的にはエレンはこのヒアナと結ばれた方がよかったですね、絶対に。
長谷川博己さんも画面に映るだけでアガりますし、ピエール瀧は最高だし、キャスティングは一部を除いてよかったですよ。
あ、石原さとみは、空気でしたね。あんなのいてもいなくてもいいキャラクターですよね、うるさかったからいなくてもいいかな?と思ったんですけど、コメディリリーフとして必要枠だったのかな?と納得させました。

あとはもう、映倫と最期まで戦い抜いた樋口真嗣監督の臆する事ない巨人のバイオレンス描写と特撮パワーですね。
正直、この"巨人が人を食べる"という描写にどこまで挑戦できるかが、この映画のキモだったと思うんですよね。
そういった意味では、現状ここまでやったのは素晴らしい事だと僕は思いました。
また、登場人物を日本人だけに設定してくれたおかげで、巨人たちもみんな日本人顔なんです。
少々やり過ぎ感は否めませんでしたが、巨人たちの気持ち悪さは、"こいつらだけには食われたくない""殺してやりたい"という激しい嫌悪感にも似た気持ちにさせるほどのルックがあったし、強烈でした。
こんなの、よくPG12でやったなと思います。
後ろに座っていた女の子たちが、上映後
"ただのホラー映画だったね"
と言っていて、一瞬イラついたんですけど(ただのホラー映画って、言い方に)、裏を返せば褒め言葉ですよね。
ちゃんと、恐怖として描き切った事と、ホラー映画的にコンパクトでテンポよくまとめてたということではないか?と。
これは恐らく、悪名高い渡辺雄介の脚本を、町山さんが直してくれた結果なんじゃないか?と信じたいです。
口喧嘩の言葉選びにも、ウィットに富んだ部分もあったし。とは言え、心情吐露合戦も残念ながらしっかり用意されてましたけどね。

好きなキャラがいた分、嫌いなキャラも目立つし、巨人たちがよかった分、あのワイヤーで飛ぶやつの爽快感が全然なかったり、本当に五分五分な気持ちなんですけど、巨人たちの超圧倒的嫌悪感を作り上げた監督と、本郷奏多くんと桜庭ななみのイモ女野郎のコンビ、そして水崎綾女のケツに賞賛の点数を送ります。

なんとなくですけど、まさかの

後編は見ない

という選択肢も、ありかなと思ってます。

でも、正直めちゃ楽しかった!!
出来れば、ヤジを入れながらキャッキャッ!と楽しんでほしいです。
原作がどうこうとか言ってないで、楽しんできた方がいいですよ。
それでも言うなら、食い殺してやる!!!

(わざわざ渋谷で見たのに、恐怖であんぐりしてるのか、鑑賞態度が真面目すぎるのかわからないけど、みなさんめちゃ大人しく見てるからさ...)
Torichock

Torichock