新人発掘のフィルムフェスティバルのオープニングあたりに上映して21世紀の日本映画世界にもう一度岡本喜八の映画遺伝子を蘇生させる機運を与えるのも悪くないんじゃあないでしょうか? 佐藤闘介「バナナシュート裁判」
30年近く前、小田急線新百合ヶ丘の「日本映画学校」(現 日本映画大学)で観ました。
監督佐藤闘介は名優佐藤允さんのご子息であり、巨匠岡本喜八監督の甥子さんという誰も追いつけないようなまさに映画遺伝子の継承者。
その方の卒業制作作品となるとどうしても無視できませんでした。
上映後に佐藤監督と出演者の入江さん、木下浩さんらがご挨拶に来てくれて一時間ほどの楽しいトークショーでした。
16ミリのこの作品がまだ一般上映準備中に観れた私は幸福な気持ちになれたものです。
当時の会見で印象に残った発言
(主演の油井昌由樹さんへのギャラ交渉について)
佐藤監督
「ギャラ交渉って(無いに等しいギャラですが引き受けて貰えますか?と頼み込め)と教わりました。
でも僕は(無いに等しいギャラ・・・すらもありません!)と油井さんに頼みました」
(会場 爆笑)
↑
でも主演の油井さんはこの言葉で完全ノーギャラで引き受けてくれたそうです。
佐藤さんのような恵まれて方でも映画一本撮るのがどれだけ大変な事か・・
フィルムフェスティバルに応募しようとされている未来の才人たちに一度は観て欲しい、「初々しい」という言葉がこれ以上にないくらい相応しい永遠の「処女作」です。