オトマイム

少女は自転車にのってのオトマイムのレビュー・感想・評価

少女は自転車にのって(2012年製作の映画)
4.3
これは傑作。清々しくて素直に胸を打たれた。たくさんの人におすすめしたいヽ(´ー`)ノ

サウジアラビアは宗教的な縛りがすごく厳しい国で、イランやパレスチナ・トルコ等他のイスラム圏の映画と比べてもその景色は際立って異質。女性は全身黒いアバーヤを着ているし、男性に聞こえる場所で声をたてて笑ったり歌ったりする事もたしなめられる。「生理中はコーランを直接触らないで」と女性教師が生徒に諭す。

そんな男尊女卑の国に住む活発な女の子、ワジダは自転車に乗ることに憧れ、(悪)知恵を駆使してお金を貯めて買おうと奮闘する。
この少女が素晴らしく魅力的。くるくる動く雄弁な目とお茶目な行動にはこちらの表情もほころんでしまう。

また、サウジアラビアのお国事情を色々と垣間見ることができたのも新鮮だった。そういえばサウジは一夫多妻制だったんだと再認識したし、サウジとパレスチナが同胞というのは初めて知った。

涙してしまった終盤のシーンは心が洗われるよう。
サウジの映画って日本でなかなか公開されないのが残念。こんな素晴らしい作品をもっと観たいですね。