このレビューはネタバレを含みます
ゾンビによって支配された地球で生き残った人類は抵抗を続けていたが、主人公の青年デビッドはゾンビの捕虜になっていた美女スターと共にゾンビに捕まり人間牧場へ送られる…というストーリー。
同名のゾンビ映画がありますが、こちらはジャケットが「猿の惑星」な方です。
人間牧場へ送られたデビッドは、階級制度や労働などのゾンビ達の行動に不審な物を感じ、裏側で支配する何者かの存在に気付き反乱を起こすが、という内容です。
ゾンビによる人間牧場という設定が面白いですね。人間を牢屋に閉じ込め餌を与え、成人まで育ててから食べるという何とも手間暇かけた事をやっています(笑)人間に畑を耕させたり、石鹸を渡してボディランゲージで身体を洗うよう伝えるシーンは面白かったです。リーダー格のゾンビがいて唸り声で他のゾンビに指示を出してます。
農場のシーンが大半なので「ウォー・オブ・ザ・デッド」というよりは「ファーム・オブ・ザ・デッド」という感じですね。
奴隷として捕らえられた主人公デビッドがゾンBに達の行動に不信を抱き、探っていきますが、結構閉じ込められた牢屋から自由に出入りしてるからスター連れてさっさと逃げればいいのに、また牢屋に戻って過ごしてるんですよね。まあ、他の閉じ込められてる人見捨てていけなかったからなんだろうけど。
設定は悪くないと思うんですが、ストーリーの抑揚が無くダラダラと感じてしまう所があるんですよね。主人公も上記の様に抜け出して調査したりしてはいるけど、基本スターと牢屋で過ごしてますし。彼の生存を信じて探す兄プライスと女隊長のストーリーも抑揚と盛り上がりには欠けてたかな。後、ナレーションが頻繁に入り過ぎて段々ウザくなってきます。
登場人物の中ではゾンビ達を操る黒幕のスパイであるスリガが主人公達の味方になっていく所が面白いですね。常にニヤニヤと気持ちの悪い笑顔浮かべてるのも印象に残りました。それとヒロインの喋れない美女スターは中々美人でした。デビッドに教えられた「食べ物 美味しい」って台詞繰り返したり、「キス好き!」っていう所可愛くて萌えた(笑)
ゾンビは顔だけメイクして汚れた服を着たお手軽な感じで、牧場内ではノロノロしてますが、人間を襲う時は走ってました。内臓引き摺り出し等のゴアシーンはしっかり作ってありますし、ゾンビを銃撃した時に後頭部に穴が開くショットもしっかりつくってありますね。ナタ等の刃物で首切り落とされるシーンの合成はヘタクソだったな。
アクションはもっさりしていて迫力はあんまり無いですね。やたら格好つけてはいるけれど(笑)
デビッドが他の奴隷たちと反乱を起こして、そこに兄たちが率いる連合軍(といっても少数ですが)が駆け付けてゾンビ掃討が始まる展開は盛り上がりそうだけど、イマイチ盛り上がりには欠けたかな。バンバンゾンビを打っていく所は良かったんですが。
終盤のゾンビを操って牧場を運営させていたラスボスのアッサリ具合も意外でしたが、主人公がどうでもいい形で死ぬラストはビックリしました。アレ絶対死なす必要無かったでしょ。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」を真似したかったのかな?というか、黒幕の所に乗り込んだのも兄貴と女隊長たちで、主人公いなくなったスター探してるだけだし、それであのラストって(笑)というかスターはどこ行ってたんだろ?最後普通に合流してたけど。そしてしっかり子供作ってるし。
主人公兄弟の吹き替えを内田夕夜に平田広明と豪華声優陣でビックリしました。他にも山田里奈に山像かおりと知名度ある方吹き替えしてますし。アルバトロスはC級D級映画でもちゃんと一流声優使って吹き替え作りますよね。「こんな映画にこんなちゃんとした人使うなよ!」って思う時もありますが(笑)
ゾンビ映画をたくさん見続けてきた人なら普通に見れるんじゃないでしょうか。ゾンビ映画見慣れてない人にはオススメはしませんが。