会話劇じゃなくて、リアル会話でここまで引き込まれるとは。
これ上映機会が無いのもったいないよ。劇場スクリーンにこだわらなくてもいい作品だと思うから、ぜひ配信してほしい。
潜水夫をしている夫婦の津波体験の会話が壮絶だった。生死の狭間にあった経験を振り返って語ってるのに、なぜか男女のあるあるの話になって、ちょいちょい笑えてしまうという。
奇しくも、というか、やはりというか、極限の状態を経ると、意識してなかった日常が見えてくるという法則がここでも働いている。だから津波や亡くなった友人のことを話題の中心にしながらも、男女について、故郷の風景について、人生の選択について話している。
偶然によって日常性が引き剥がされる、これってやっぱり濱口映画そのものじゃないか?