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アデル、ブルーは熱い色のヨツのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
3.7
君の名前で僕を呼んで、とら2本立てで。
約2年半ぶりの鑑賞。万遍なく忘却しているかなと思ったら、中盤がすっぽり抜け落ちているだけだった。
前回観たときよりも感じるものが多くて、成長したのか、老いたのか。

まずはじめにレアセドゥが美しい。レアセドゥの魅力に初めて気づいたかも。男性っぽくないレアセドゥを見てから改めてこの作品を見ると、その変貌ぶりに驚く。アデルは、細すぎずメイクも濃くなく髪型もラフな、自然体の美しい女性。だからこそエマのミューズであることに説得力がある。もりもり食べる姿も印象的。中盤からアデルが食事するシーンが減るのは意図的なのかな。

やはり序盤がとても美しい。2人が蜜月にあるときの描写は光の表現が多くて、いかに輝かしく美しい時代だったかを観客に伝えてくれる。ベティブルーもすごく光が綺麗だったし、人気フランス恋愛映画は光を大事にしているのかなと思ったり。個人的には、はじめてみたときにはサルトルの思想を知らなかったけれど、ちょっとは理解の深まったいまエマの台詞を聞くとエマの芯の強さが窺い知れてよかった。
終盤は、やはりカフェのシーンが印象的。心情が読み取りにくい(と私は感じた)エマが、2人はもう元には戻れないけど、アデルは彼女の人生にとって欠かせない存在だと言ってくれるのが美しいが、エマの本当の心はどうなんだろう。アデルにとってはエマが全てであっただろうだけに、何も持たないアデルと自分の志すものにむかって邁進していくエマの対比が胸を締め付ける。

2回目 2019/1/25@目黒シネマ
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