新地町の方と併せて鑑賞。
やはり福島と宮城は東日本大震災で受けたものが少し違うのだと感じた。もちろん、福島の中でも、宮城の中でも、その場所によって被災状況は異なるのだけれど。
印象的だったのは歳の近い着物屋さんの2人で、良いことも悪いこともたくさんあったけど、今もこうして2人の仲が続いていることがとても尊いと思った。
片方の女性が、いろんなものがなくなってしまった、だからしょうがない。受け入れられるわけないけど、受け入れるしかない、とおっしゃっていて、とても共感してしまった。後から出てきた男性も同じようなことを話されていた。
ご夫婦で自営業を営むおふたりの話も感慨深く、津波があって生き残ったけれども、身近に亡くなった人がいる人特有の話しぶりに思えて、助かってよかったという言葉が出てこないところにおふたりの思慮深さが出ていると思った。
この映画に登場するほとんどの人たちは自営業の人たちで、実にたくましい姿が印象に残る。
ラストを飾る若い2人の話はまだまだ若さを感じさせるのだけれど、ふと彼女が言った「これでも話したほう」というところに、震災の傷跡の深さを想像させられた。
葛藤がありながらも前へ進んでいく人たちの話しぶりに、引き締まる思いがした。