くりふ

魔女の宅急便のくりふのレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(2014年製作の映画)
1.0
【この町の人間は完全に狂っています。】

…『下妻物語』の竜ヶ崎桃子なら、コリコの町をそう言うでしょう。

いや、その前に旅立つキキの故郷、山腹絶壁村に驚愕。

…山岳民族だったの!? 東洋のどこかって、どこすかここ?? チベット辺り? でも日本語喋ってるぞ。集まってくるのも近所のおばちゃんみたいな人ばかりで、まるで山の民に見えないんだけど…まずここで目が点点点…。

キキ役風花ちゃん自身はよかったけれど、体つきはもうJKに見えてしまう。動くと運動神経悪そう…。それが後で、本作で唯一よかった自転車のエピソードに効いてくるけれど。

肝心の飛行シーンはヒッチコック映画の頃の背景合成に先祖返りしたようだ。せめて空気抵抗もう少し強めたら、少しは見られるものになったのでは? やり過ぎるとスゴイ顔になっちゃうワケだが。

アニメ版と比べるのも可哀想だけど、原作のエピソードも改悪していますね。特になんですか、あの最後のお届けは!

今晩が峠ってわけでもないし、少し待てば済む話じゃん。船を出すわけにいかないってアンタ、子供出す方がふつうにヤバイだろ。

でもってダメ押しマツコデラさんの躁なアレ!…ごめんなさいもう我慢も限界、大爆笑!

でもアレ、あのキャスティングは「簡単に飛ばされないように」という必然性からのものだったのでしょうか?

呪いの手紙もスゴイよね。子供が口裂け女の噂を本気で怖がったら、大人たちまで信じてしまう、みたいな話になっている。原因の一つは魔女の、作中での位置づけをきちんとしておかないからでしょう。

キキに初仕事を依頼する子供たちの、殴るぞゴルァな不躾ぶりといい、なんなんだよこの町は。

というわけで、冒頭に書いた「この町の人間は完全に狂っています」という感想と相成りました。

その他、挙げるといっぱいありますが、やめときます。

風花ちゃんの頑張りと、唯一、素直に子供らしく共感できた自転車のエピソードに座布団いちまい。それ以外は日本映画ダメ見本市でした。

<2015.5.18記>
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