RIO

嗤う分身のRIOのレビュー・感想・評価

嗤う分身(2013年製作の映画)
3.5
一切の光が遮断され
霧が立ち込めている

「1984」の世界観がありながら
昭和の歌謡曲が何曲も流れるから
冷たいディストピアに
不思議な温かさを感じる

二人のジェシー・アイゼンバーグですね
CGは使ってないそうです

リチャード・アイオアディ監督は
ゴーゴリやカフカ
ドストエフスキーのような個人の内面を
描きたかった


ジェームズ・サイモンは突然現れた
サイモン・ジェームズは
もう一人の自分の姿かたちを見て卒倒

サイモンはジェームズの中に自分にはない
なんでも出来る人格を見る
でも狡猾でやりたい放題されっぱなし
オロオロしててこんなの僕じゃない
なんて言ってるうちに
自分の居場所がなくなってしまう

サイモンの言葉を理解する人はいない
まるであざ笑うかのように存在感を増す
ジェームズは全てがうまく行き
サイモンの真実は葬られる

難しい哲学的な会話もなく
サイモンの二重人格を通して
自分の内面へと一歩踏み込める

絶望してこんなの嫌だと決心する
サイモンの選択に
気落ちするエンディングではなかった

闇にでも解き放ち全部捨てる気でやれば
自分革命も起こせる
かな🧚‍♂️
RIO

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