このレビューはネタバレを含みます
北朝鮮工作員の偽装家族という設定はすごく面白い。シリアスコメディかと思ったら、サスペンスドラマだった。
韓国映画に多くある大味な展開に感じた。メインキャラが4人もいて、それぞれの事情を説明したり、北と南の思想を対比したりと詰め込みすぎな印象。人物の葛藤を描くというより、ストーリーを進めるために人物を配置して、安易にそれぞれが惹かれ合ったり苦悩してる感じ。末娘以外はせーのであっけなく死んじゃうし、ラストで彼女が登場することにさしてカタルシスもないし…。
意図的なんだろうが、誰が主人公かボヤけてて感情移入しにくい。四人の群像劇っぽくなってるというか。
この設定ならば、ベタではあるが班長ひとりの苦悩に絞って、彼女が北の工作員から南の二重スパイになるとか、脱北者側を助けるリーダーになるとか、偽装家族全員を犠牲にしてどう成長や開眼をするのかをもっと深く描いてくれた方が楽しめると思った。