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インセプションのfishmuttonのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
3.7
設定もわかりやすく、スリルも感じられて良かった。
夢でアイデアを盗む訳あり産業スパイが、困難だと言われる「インセプション(アイデアの植え付け)」にチームで挑戦する。

私は短絡的なので、モル殺しちゃえよーと思いながら観てた。コブとモルとの間にあったことがこの映画のドラマの鍵だろうから、殺しちゃだめなんだろうけど。翻弄される様にイライラしてしまった。

これも噂に聞く通り、映像体験映画だった。
観ていて普通に思える景色の、重力がおかしいとか、構造が変という映像が気持ち悪かった。でも、楽しかった。
違和感に脳が反応するんだろうな。

観ていて、イームスが一番好感度高かった。よく働いておられる。

どんどん展開するので、長さは感じなかった。
最後がちょっと不穏。彼の不在時間はどのくらいだったの?電話の声も気になる。
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コブ:主人公。夢でアイデアを盗む産業スパイ。訳ありで家族に会うことが出来ない。家に帰るという望みを叶えるため、サイトーに依頼された「インセプション」を実行する。
アーサー:主人公の相棒。緻密な計画。ちょいとミス。
サイトー:えげつない金と力を持つ渡辺謙。競合会社の跡継ぎに会社を潰させるため、コブに「インセプション」の話を持ちかける。
アリアドネ:設計士=夢の世界の設計担当。迷路を造るよ。コブの父の学生。コブを救おうとする。
イームス:偽証士=夢の中で別の人間に変身する。楽天家で直感的な印象。
ユスフ:調合士=夢へ入るのに用いる、鎮静剤調合担当。頑張ってるけど、運転荒いね。
モル:コブの死んだ妻。コブが夢へ入ると、彼の投影として出てきて場を荒らす。
投影:その人の潜在意識から夢の世界へ投影された登場人物たち。モブは夢への侵入を感知すると、侵入者を見る。
ロバート:「インセプション」対象。大企業、フィッシャー帝国跡継ぎ。親父と不仲。
ブロウニング:フィッシャー帝国のNo.2。現社長が病に伏せっているので、社の実権を握る実質No.1の男。

誰の夢かに関わらずモルが出てくるのは、コブの潜在意識の深いところを彼女と共有した際の残留思念のようなものなのかなと思った。意識の深いところで強い印象を与え後に影響を及ぼすという点では、彼は妻によるインセプションを受けていたのかな、というか。
何となく、二人はただの共依存や罪悪感で結ばれたのみの関係じゃないというか。
そんな気がした。

最後のシーンが、彼の夢の世界との決別を表現しているとしたら、彼は現実の世界で生きていけるだろうか。今までに彼は夢に生きる産業スパイという生き方を選択していたわけで、これから別の世界(職業)で生きていくのは困難だと思う。しかし、非合法の仕事であれば、家族が危険にさらされる可能性も再び家族に会えなくなる可能性も高い。彼が夢と決別し現実に向き合ったのだとしても、前途多難に感じた。
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