甲神山亘

インセプションの甲神山亘のレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
4.9
「夢の中に潜入する」という題材を独特な世界観で映像化しているこの作品。

クリストファーノーラン監督映画特有の哲学にあふれているこの感じ。
セリフ回しや表現が小説っぽい。

「質問:望むところへ連れて行ってくれる列車を待ってる。しかし行き先は分からない。それでも全然かまわない。それはなぜか?」
「答え:一緒だから」
というやりとりがいちばん印象に残る。

「夢のまたその夢のまたその夢、さらに深くにそしてさらにその深くに。」
「夢ではなく現実にこだわる意味は?」
「今いる場所が現実じゃなく夢だと分かる理由は?」
他の作品でも何度か目にした覚えのあるこれらのテーマ。
ちゃんとした結論は出なくとも面白くいつまでも興味深い。
この映画の場合、コマが回り続けたままでエンディングをむかえるのも余韻があってとてもいい。

映画としてはキャストも素晴らしすぎる。

終始トラウマを隠しきれない表情を見せる主人公コブ役にレオ様

独特なオーラを放つサイトー役にケンワタナベさん

あるエネルギー会社会長の息子であるということで重要人物になるロバートフィッシャー役にキリアンマーフィーさん

知的な美少女であるアリアドネ役にエレンペイジさん

怖さあふれる存在になっている主人公コブ妻のモル役にマリオン・コティヤールさん

癒し要素であるユスフ役にディリープラオさん

アーサー役のジョセフゴードンレヴィットさんとイームス役のトムハーディさんは美しいと思えるほどにひたすらスマートで格好いい。
イームスがアーサーにむかって言った「どうせ夢なんだからぶちかませ。」っていうセリフも好きだ。

みんな魅力的なキャラであり、見応えある内容と迫力ある映像など総合して間違いなく存分に楽しめる作品。

映像としては目覚める手段「キック」として音楽を合図にしながら水にダイブする車内でのシーンや、
ジョセフゴードンレヴィットさん演じるアーサーがグルグル回る空間で任務をこなしているシーンの撮影方法が本当に気になってしょうがない。
甲神山亘

甲神山亘