かたゆき

ブラインド・フィアーのかたゆきのレビュー・感想・評価

ブラインド・フィアー(2012年製作の映画)
1.5
真実を伝えるためならどんな危険をかえりみない勇敢な戦場カメラマン、サラ。
政情不安に揺れるアフガニスタンで取材中だった彼女はある日、テロリストの自爆攻撃に遭う。
なんとか一命は取り留めたものの病院のベッドで目覚めてみると、彼女は自分が視力を完全に失ってしまったことを知るのだった――。
3年後、当然のように引退を余儀なくされ、以来金融トレーダーである恋人と1匹の猫と共に豪奢なペントハウスの一室で平穏な生活を送っていたサラ。
大晦日、そんな彼女がいつものように買い物から帰ってくると、そこには血の海に沈む恋人の死体とある〝もの〟を捜し求める凶悪な殺人犯が待ち構えていたのだった……。
完全なる暗闇の世界に生きる盲目の女性と目的のためなら手段をいとわない冷酷な殺人犯との息詰まるような攻防を描いたサスペンス。

冒頭、鼻歌を歌いながら自室のリビングでくつろぐ主人公サラ、そこに床に転がる血だらけの彼氏の死体が映り込むのに盲目の彼女は何も気付かず買ってきた物を冷蔵庫にしまいだす、そして背後には誰とも知れない男の影が……。
というスリリングなシーンで、「お?もしかしてこれって面白いかも」と思わせる本作、でもその後の展開ははこれまで凡百のサスペンス映画で散々見尽くしてきたような凡庸な展開が。

うーん、これで脚本がしっかりしていればまだ見られたものになっただろうに、まあ見事なまでにこちらの期待値を下回ってゆきます。
捕まえた主人公が盲目だからって「何、寒い?いいだろう。今、ロープを解いてやるから自分で服を着ろ。あ、俺はあっちで電話してるから」ってこの犯人アホですか(笑)。
案の定、次のシーンでは主人公に殴られて逃げられちゃってるし…。
それに、後半の隠されたダイヤを巡る緊迫?の心理戦も無理やり話を引き伸ばした感が半端ない。

挙句、ラストシーンでの「13階のベランダから落とされたあの黒猫ちゃんも無事に生きていたんだよ。だって猫って運動神経いいしさ。びっくりした?あはは…」って感じの、動物愛護団体&猫好きな観客への配慮に満ちた黒猫さん再登場…。
ま、簡単に言うと「つまんねー映画!」でした。
終わり。
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