かたゆき

ハウス・バウンドのかたゆきのレビュー・感想・評価

ハウス・バウンド(2014年製作の映画)
3.0
ATM強盗中にへまを犯し、警察に捕まった不良少女カイリー。
未成年ということもあり、更生のために実家で数か月の保護観察処分という判決を受けた彼女は、保護観察官と一緒に久しぶりに実家へと帰ってくる。
義父とともに静かな余生を送っていた母親は、渋々ながらそんな娘を受け入れることに。
いろいろ衝突しながらも久しぶりに家族水入らずの生活を送る親子。
だが、しばらくすると不可解な現象が家の中で多発するようになる。
家のものがいつの間にか動いていたり、使った覚えがないのに電気代が高騰していたり、地下室から不審な物音が聞こえてきたり……。
そしてとうとうカイリーは、地下室で霊と思しき存在を目にしてしまう。
そう、ここは過去に凄惨な殺人事件があったいわくつきの家だったのだ――。
果たしてこれは全て幽霊の仕業なのか。
足首につけられたGPSのせいで家から離れられないカイリーは、怪奇現象オタクだった保護観察官ともに真相を究明しようと動き出す……。

かんなり低予算で撮られただろうそんな本作、魅力的な登場人物たちがつむぐテンポの良いストーリーは観やすくてなかなか面白かった。
かなりはねっかえり娘だけどどこか憎めない主人公やぐちぐち言いながらも結局娘に引きずられちゃう母親、オカルト大好きないかつい保護観察官。
彼らのコミカルなやり取りはベタではあるけれど終始微笑ましくて大変グッド。
ただ、ストーリー自体は率直に言ってありがち。
序盤ゴリゴリのオカルト押しではじめといて中盤で実は……という展開は途中で読めてしまうし、けっこう突っ込みどころも多い。
特に途中で主人公が義父をハサミで刺しちゃう展開は重すぎるし、その後も実家で暮らし続けるとかどんなけ甘々な警察やねん(笑)。
そこら辺はもう少し考えてほしかった。

ただ、中盤で真相はこういうことだったのかと思わせといてでも実は違いましたという、さらなるどんでん返しを見せる終盤はちょっと新しかったですね。
「そうくるか~」って感じで。
全てが明らかとなった最後の最後、それでもこの共同生活続けてんのかい!と思わず突っ込んじゃうオチはさすがに笑っちゃったわ。
と、そこいらへんのユーモア感覚やところどころのホラー描写にけっこうセンスを感じたのでボチボチ面白かったかな。

監督はこの後、ハリウッドでスマッシュヒットを飛ばしたホラー『M3GAN ミーガン』を撮ることになるジェラルド・ジョンストン。
自分はそちらは未見なので、本作からどれだけ成長したのか今度期待して観てみようと思います。
かたゆき

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