あくとる

ホドロフスキーのDUNEのあくとるのレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
4.0
"魂の戦士"

ドゥニ・ヴィルヌーブのDUNEを観る前に。
実現されていれば映画史は変わっていたであろう壮大な企画。
その創造の過程と、映画会社に拒否されて封印されるまでを監督自ら語る。
この映画に携わるはずだった錚々たるメンツとその秘話がひたすらに面白く、このドキュメンタリーを観ている私たちの脳を刺激し、それぞれの"脳内DUNE"が生まれる。
芸術性よりもビジネスを選んだ映画会社の判断が何よりも悔やまれるが、ホドロフスキー監督の神聖な精神が世間の何十年も先を行っていたので仕方なかったのかもしれない。

ホドロフスキー監督の話し方が本当に生き生きとしていて全く年を感じさせず、どこまでも芸術に対して情熱的であるのが素晴らしい。
リンチ版を大失敗と嬉しそうに断言していて笑う。
彼の作品をしっかり観ようと思う。

2021年、現代の技術を用いたドゥニ・ヴィルヌーブのDUNEはどんな志で創られた作品なのだろうか。
観るのがより楽しみになった。
また、ホドロフスキー監督の感想も聞いてみたい。