このレビューはネタバレを含みます
とうとうお目見えすることはなかった、ホドロフスキーの幻の大作映画『DUNE』の始まりから制作中止、そして後世のハリウッドをはじめとする映画界への影響を辿るドキュメンタリー。
まずホドロフスキーのクリエイターとしてのパワーが凄い。周りの人間を巻き込んでいく力が凄くて、どんどん大作映画の骨組みができて、誰もが知る大物のキャストの起用が決まっていく過程は本当にドラマみたいだった。
この映画が出来上がっていたらどうなってたんだろうっていうロマンもあれば、未完のままで終わったからこそ、後の『スターウォーズ』や『ターミネーター』などの傑作が生まれたのかもしれないとも思うと、これはこれでよかったのかもしれない。
あと、ホドロフスキーの作品を一作でも見たことある人なら分かると思うけど、良くも悪くもだいぶ癖のある作品をたくさん作ってる人だから、もし公開されていたとしても世界的にヒットするかどうかは微妙なところではある。そりゃハリウッドもかなり不安だったんでしょう。
とはいえ、後にデイヴィッド・リンチが撮った『DUNE』を見て、「やった!駄作だ!」と喜ぶホドロフスキーは人間臭すぎて微笑ましさすら感じた。