2024_035
I'm DUNE.
意志と遺伝子の拡散
もしも願いが叶うなら、ホドロフスキーのDUNEが観たかったという映画ファンは沢山いるだろう。それは作られなかった映画のドキュメンタリーが制作されたことからも伺える。
本作を観てその思いはより一層強くなった。そして『あの本欲しい!』という気持ちは本作を観た方ならば共感意外ないだろう。
しかしホドロフスキー本人、そして息子さんが語った、完成しなかったからこそ生き続け、そして全ての作品にDUNEが受け継がれて行くという考え方がとても素晴らしい。あなたも私もみんながDUNEだ!
正にホドロフスキー自身がリサーン・アル=ガイブであり、クウィサッツ・ハデラックであり、マフディなのだ。
リンチ版を観て『失敗作だ!』と爆笑していたホドロフスキーはドゥニ版を観て何と言うのだろうか?
今となっては引き返せない歴史の分岐点。もし完成していたら映画史は全く違ったものになっていたかもしれない。スター・ウォーズもエイリアンもナウシカもない世界があり得たかも…。それはそれで恐ろしいかもしれない。