垂直落下式サミング

モーター・サイコの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

モーター・サイコ(1965年製作の映画)
3.6
巨乳映画の巨匠ラス・メイヤー作品。
『ファスター・プッシーキャット キル!キル!』のノンケバージョンで、柄の悪い三人組のバイカーギャングが巨乳の女とみればちょっかいをかけて手込めにしようとする映画だ。
彼等に妻を暴行された獣医の男と夫を殺されたフランス系女が、スナックでかかってるみたいな艶かしい雰囲気のガレージロックにのせて憎き非行青年たちをぶち殺すため荒野を追跡するというだけの内容で、ビックリするくらい中身はない。
ガラガラヘビに噛まれた獣医が女に毒を吸いしてもらう場面は、男が怒鳴りながら女性の髪を掴んで彼女の口を力まかせに傷口へ押し付けるという何ともアンチフェミニンな場面だが、にしても唐突だし、毒を吸い終わった次のカットではバイカーのひとりが水をぷっと吹き出す悪趣味なモンタージュが挟み込まれるなど、女性蔑視だとかそういう真面目ことを思い浮かべる前に、描写の過剰さとその切り替えのスピードに笑ってしまう。
旅先で「毒蛇に大事なところを噛まれた!はやく毒を吸い出してくれ!」と言って女の子にしゃぶってもらっちゃったというジョークがあるけれど、まあ下品な話ですわな。