ふしん

NOのふしんのレビュー・感想・評価

NO(2012年製作の映画)
3.5
独裁政治が長く続いたチリで、国際批判を受け、政権の信任を問う国民投票が行われることに。
誰もが現在の政権が勝つ、出来レースだと思っている中で、反対派の広報に関わることになった広告マンの主人公が、様々な妨害にあいながらも、CMの力で世論を変えようとする話。

主人公が最初から政治的手法ではなく広告的手法で戦うのが痛快でした。

最初はその手法をバカにして、政治的なCMで広報を行っていた敵陣営や味方の頭固い人たちも、主人公たちのCMの効果を目の当たりにし、その路線に慌てて乗り始めるんですよね。

難しいものではなく易しいものを。
悲観的ではなく楽観的なものを。
少しでも大衆が興味を引くものを。

信念とか、形式とかはわりとどうでもよくて、最終的に大衆に受け入れられたものが「正解」となるという、今にも通じることが描かれてると思いました。

作中は1900年代後半なので、テレビでの広告メインでしたが、仮にインターネットが主流だったらこの広告合戦はどう加熱していたのだろうと思い馳せてました。
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