Jホラーに直接関わった方々、そしてJホラーが好きという方々が、口を揃えて“Jホラーの元祖”と言ってる作品。
1988年のオリジナルビデオ作品ってことだけど、いわゆるVシネマなのかな?(よく知らない)
この時代にフェイクドキュメンタリー手法が取られてることに驚く。
やはり、リアリティの追求はドキュメンタリーに行き着くってことか。
まずホラーや心霊がどうこうという以前に、芸能界の舞台裏やアイドルの売り出し方みたいなものが興味深い。
また当時のファッションはもとより、カセットのウォークマンやオープンリールデッキが普通に置いてあったりするのも、今見るとおもしろい。
さて心霊ホラーとしては、あの『リング』とはいかないまでも、『女優霊』みたいな感じを頭に置いて観始めたが、予想外に明るい雰囲気で、お仕事ドキュメンタリーな感じ。
フェイクとはいえ、ドキュメンタリー風な作品なんだし、最初からジトジトした雰囲気になるわけ無いよな。
ワシが思い違いしてた。
割りと早めに「おや?」と思うものが映り込んでいて、その後は中心に映ってる人物よりも、背景の方が気になってしまった。
そんなことしてるうちに、いつの間にか物語に引き込まれてしまってた。
小さな違和感の積み重ねが、やがて明らかな異変や異常へと繋がっていく作りは、気持ちがスムーズに盛り上がって楽しめた。
恐怖の表現というか、ホラー映画としての映像での見せ方の部分は、やはり時代を感じてしまう。
しかしながら恐怖の盛り上げ方、ホラー映画の演出的な部分は、全く時代を感じさせないクオリティ。
80年代~90年代というと、スプラッター映画やゾンビ映画が流行ってた印象がある。
しかしその一方でこういう作品も作られていて、のちにJホラーとして一大ブームを巻き起こす機運は醸成されてたんだね。
さすがに作品としては古いし、それなりな内容。
しかし最後まで集中して観れてしまうのは、なにも上映時間の短さばかりが理由じゃない。
そんな感じの作品でした。
余談
水野晴郎の語り口がなつかしい~!
今見ると水野さんって漫画のキャラみたいな風貌だなぁ。
それと、本来の竹中直人らしいイカれた感じも見れてオモロい。