爆裂BOX

ヘルベンダーズ 地獄のエクソシストの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.0
エクソシストの腕は超一流だが、問題ばかり起こす5人の神父。彼らはある日、強大な悪魔と対峙するが逃げられてしまう。彼らは仲間に憑りついて逃げた悪魔を追うが…というストーリー。
やさぐれ神父たちと悪魔の戦いを描いたオカルトホラーコメディです。監督は「ミミックⅢ」や「ディセントZ」のJ・T・ペティ。
普通の聖職者では太刀打ち出来ない強力な悪魔と戦うためにバチカンによって結成された悪魔祓いのエキスパート集団「ヘルベンダーズ」彼らは有事に備えて悪魔を憑依させて自殺して共に地獄に行けるように、聖職者でありながら酒やドラッグ、セックスに溺れて「七つの大罪」を敢えて破って軸に行ける身体づくりをするための生活を続けていた。ある日、悪魔祓いで向かった先で強力な古代の神「スルト」と遭遇し、仲間の一人が憑依されて行方不明になる。仲間の行方を捜してスルトの陰謀を追う内、スルトの目的が地獄の門を開くことにあると知る、という内容です。
ジャケットの印象や「何時でも地獄に行けるように七つの大罪犯しまくってる破天荒な問題児集団」という設定など派手なアクション一杯の様に思いますが、実際にはアクション自体少なくて悪魔との戦いも殴り合いやバットで殴り飛ばすくらいで銃は出てきません。悪魔の攻撃も主に噛みつきでしたね。
主人公達が犯す罪も仲間内で不倫やマリファナ吸ったりスラング発したりするくらいでこれで地獄行きなら殆どの人間地獄行きじゃね?と思ってしまいました。もっと不道徳で不謹慎な描写やジョークあると思ってただけにそこは肩透かしでしたね。ブラックコメディとしてもテンポとパンチが足りないので今一つ笑えず。真面目な黒人が自分やメンバーが犯した悪事を真面目に記録してノルマ制みたいに「悪事が足りないぞ!」と注意したり、主人公が「ここが俺の家だ!」と啖呵を切った時に別居してる妻と出くわして、更に呼び止めるときに不倫した同僚の名前で呼んじゃう気まずいシーンは笑えましたが。
悪魔に憑依された人間が出てくるシーンや戦うシーンも少なく、殆どダメ人間な主人公達のダラダラした生活や地味に事件を調査するシーン、彼らを目の敵にするバチカンの別の監査組織との内ゲバのシーン多めで冗長に感じるシーン多いですね。悪魔との戦いもゴア描写やホラー的に盛り上がるシーンあんまりないし。大罪犯しまくってるけど、悪魔との戦いでは祈り唱えて聖水作れたりするのは信仰心は持ってるからか。
クリトン・コリンズ・jrが主人公演じてますが、こういう役あいますね。他のメンバーも面白くなりそうなキャラ設定の割にはちゃんと見せられてないんであんまり印象に残らないですね。リーダーの頑固なやさぐれジジイ神父は良かったですが。ヒロイン?の女司祭も美人でした。
クライマックスの魔王スルトとの戦いは盛り上がりそうだったけど、低予算のせいかアクションが前述の様にバットで殴ったりするだけで絵面が地味なので盛り上がり切れない所は惜しかったですね。
これから戦う為に罪に励むぜ!というラストは嫌いじゃないですね。エンドロール中の映像は続編意識してるのかな?
真面目に作ってあって話の筋もちゃんとはしてるし、要所で良い画も出てくるので、駄作と切って捨てるほどではないですが、個人的にはこのネタならもっとブラックコメディに振り切ってハチャメチャに作った方が良かったんじゃないかと思えましたね。ちょっと真面目に作り過ぎたのかな。