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それでも夜は明けるのdreamovieslooveのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
4.0
今までも、グリーンブック、ヘルプとか黒人差別を題材にした映画は見たことあったけど最近ハリエットを見てから、そもそも奴隷制度っていつ始まったの?とか、黒人が奴隷にさせられた経緯は?それが広まった地域は?とかなんとなく知ってるような気がしてたけど全然知識がないことに気づいて、ネットで調べた後にこちらの作品を見てみた。

北部に住む自由黒人として、そこそこ裕福な暮らしをして、妻子とともに幸せに生きていたのに突然白人の奴隷商人に拉致され、奴隷として12年間の南部の綿花農園で働かされることになった。
簡単に儲かるなんてうまい話はないこと、そんな美味しい料理とお酒を振る舞ってくれるもてなしに疑問も持たず、見ず知らずの人の前で記憶を失わされるなんていう甘さがあったから拉致される機会が出来てしまったのだ、という主観はあるが、
ここまで奴隷生徒の現実を忠実に表現してる作品は見たことがなかったため、大変勉強になった。
映画を通して、歴史的に人間が犯してきた酷いことを、戒めとして社会、後世に伝え続けることができると思う。
本作はまさにその役割を担っていると思う。
人間が人間として扱われない。悪いことをしたわけではないのに、全ての自由を奪われ、多くの人は奴隷精神を持ち、自らの人生を諦める。
しかし主人公は、自身の尊厳を持ち続け、決してあきらめず屈しない。
12年間諦めなかった結果、幸運にも奴隷環境を抜け出すことができた。

法は変えられるが普遍の真理は変えられない。というブラピの言葉が印象的。

こうしたひどい歴史があったこと、それに疑問を持ち戦い続けた人がいたことを私たちは忘れてはいけない。


〜映画の中の言葉〜

1841年
ニューヨーク州サラトガ

バイオリン

ワシントンでサーカス
日当1ドル
夜の回もあれば追加で3ドル
というのは嘘だった。
サラトガ出身の自由国人と主張する主人公に対し、ジョージア出身の奴隷だと言われ、鞭打たれる。
奴隷として南部に送られる予定とのこと。
一度でも奴隷週に入れば死ぬまで奴隷。

輸送船の中で、逆らおうとして刺された黒人。
元の主人が窃盗だと主張し迎えにきてもらえた黒人。知らない人に窃盗されて奴隷として働くよりは、ずっと馴染みのある主人に使える方がマシ。

ある日突然自由の身を奪われて誘拐された主人公。体中傷だらけの黒人や片腕を無くしてる黒人やをみて絶望感。

逆らうと殺されるから今は大人しく。

男女関係なく体を洗ったあと、洋館の中で裸で立たされて、白人に売られる。
好みの奴隷はありましたか?こいつは肉体が強固ですよ、とか商品のように扱われる。
プラットと名付けられた主人公は1000ドル。
普通の女は700ドル。
せめて子供二人と一緒に売ってと懇願するが、子供とは別々にされた。

プラットは、絶望もしないし媚びへつらうこともしない。ただ自分の自由を求めて、様子を伺っている。
奴隷ではないその素性に主人も気付いているが、いいように使う。
筏づくりや楽器で主人に気に入られたことで現場監督者補助者からイジワルされる。

ある日、殺されかけた時現場監督者が止めてくれた。が、助けてくれない。
1日ほったらかされて主人が助けてくれた。
主人は、現場監督者補助者がいずれプラットを殺すだろうと考え、奴隷の扱いにひどい知り合いに売ることにした。
プラットの命を守るため。
プラットは自分は奴隷ではなく自由黒人だと主張する。主人はわかっていたが、借金の返済に困っているからプラットを自由にさせることはできない。

黒人奴隷を盗んだ人は殺される。
主人の資産である奴隷を殺すことはその資産を奪うこと。
主人、現場監督者、現場監督者補助がいる。

奴隷の主人にはさまざまなタイプがあり、すごいいい暮らしをさせてくれるケースもある。宝石をくれたり、絹をくれたり。

プラットは何をやっても優秀。ただ、正論を言い返してしまうことが仇になる。
次の主人は、従わないと鞭打ちをする。

綺麗な若い奴隷女は主人の夜の相手をするか、鞭打ちか選ぶ。
きたるべきタイミングで主人には天罰が当たると信じて。
しかし、もう我慢できないと、


 




しかしもう我慢できないとプラットに殺してと頼む。

綿花プランテーションは外注で不作  
その間いい人のところで働けたプラット。
しかしいつも文字が読めるか、教育を受けたことがあるかと聞かれるとないと答えた。
自分に身を守る為。

元のひどい主人の元へ送られると、奴隷少女は変わらず働いている。
プラットは手紙を出すことを考え、白人奴隷に頼むが裏切られる。
なんとか切り抜けたが、だれのことも信用できないことを痛感する

数々の奴隷の死を弔ってきた

ある日ブラピ演じる白人旅人がプラットの依頼仕事を引受た。
少し休めよと言われると、引き受けた仕事は予定通り仕上げないとと反論。また、君のところで働く人の労働環境が酷すぎることを伝える。
もちろん主人は人ではなく、所有物だと言う
奴隷制度には一片の正当性も正義もなく、なぜ所有物と言えるのかと質問する。
奴隷を所有する法律は存在するが、悪法もあり、法は変化するが普遍の真理は変わらない。1人の権利は全員の権利だから。白人も黒人も平等であり神から見て違いはない。奴隷も人間であり、そのことが認められた時主人が釈明する側になる。
アメリカは悪に蝕まれている病気状態。いずれ最後の審判が下る。

北部では平等論が通るが南部では通らない。

奴隷少女は奥様に嫌われ、石鹸で体を洗えない。自分でも息が詰まるほど臭い。
しかし信じてもらえず、裸にされ、背中の血と肉が飛び散るまで鞭打ちされる。
プラットがそれを命じられる。
人でなしと伝えると、主人は、これは所有物で遊んでるだけ、最高に楽しい時間なのだという。

ブラピとプラットが話す時間。
ブラシはカナダ出身で20年間アメリカを旅してきた。自由こそ最も大切であり、正義を信じるし、奴隷制度はあってらならないと信じる。
プラットは、故郷の友人に自分の状況と、居場所、黒人自由証明書を送付してくれるよう依頼する。
ブラピにとってもリスクであり、怖い、自分が可愛いと正直に言ってくれる。でも実行してくれ、無事プラットは救われた。

友人が保安官と一緒に迎えにきてくれ、自由のみが証明された。

主人は自分の所有物だと主張するが、法廷で戦えば必ず自由黒人証明書が勝つ。

12年間の奴隷期間を経て家に帰ると、プラットはいまさら帰ってきてごめん、でも本当に辛かったと伝える。
妻子は、お父さんは悪くないと伝える。


ソロモンノーサップ(奴隷名プラット)は、拉致後に生還できた数少ない奴隷の一人。
奴隷商人たちを告訴したが、被告が黒人の裁判では黒人の証言が禁じられるため、首謀者ジェームズバーチへの損害賠償は却下された。
誘拐実行者ハミルトンとブラウンもNYで長期にわたる手続きの末、裁判に至らなかった。
1853年ソロモンは「12イヤーズアスレーブ」を出版。
奴隷制度廃止運動の活動家として北東部を中心に講演を行う。
逃亡を手助けする結社「地下鉄道」を支援した。
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