くま

それでも夜は明けるのくまのネタバレレビュー・内容・結末

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

とても苦手なレビューしずらい作品。

「それでも夜は明ける」という軽めのタイトルに騙されたかも?

とても前向きじゃん!

そう主人公の黒人さんは頭も良く、常に前向きな気持ちを持ち続け諦めなかったから夜が明けたんだけど。

原題の"12 Years a Slave"の方がしっくりくる。


楽しい映画ではない、、どちらかというと重くて胸糞悪い。

少なくとも正月に観る映画じゃなかったと観ながらちょっと後悔したほど、

観ていて辛くなるような奴隷の壮絶で悲惨な嫌な気分になる話が続く。

それでも途中で観るのをやめようとは思うことはなく、引き込まれていった。



事実に基づく映画らしいが、実際はこんなもんじゃないだろうと想像。

もっともっと酷い目にあった黒人達が大勢いたはずだと思う。



ニューヨークに住む比較的裕福な黒人男性、ソロモン・ノーサップ( キウェテル・イジョフォー)は
ある日美味しい話に乗って騙され誘拐されて、奴隷として売られ奈落の底に突き落とされる。


奴隷制度の残るアメリカ南部での悲惨な12年間の奴隷生活を淡々と描いている。

どんな所に売られていくか、、、例え親子であっても同じ所に一緒に売買されないからとても悲惨だ。

中には比較的穏やかな、紳士的な白人(ベネディクト・カンバーバッチ)もいる、、それでも奴隷売買をしているのだから、、、

奴隷所有者の農園経営が悪くなと奴隷達は新しい所へ転売される。

新しい所有者は残虐で最悪のクソ野郎、、、大体がこんな奴なんだろう?


奴隷は物、家畜と同じかそれ以下、、所有者に逆らうと何をされるか分からない。

主人公のソロモン・ノーサップは知恵を出して逃れる方法を考えるが、、うまくいかない。

が、一人の白人、バス(ブラッドピッド)と働くことになったことから微かな望が・・・


最期まで人間としての尊厳を失わなかったから、ラッキーだったから、、

12年間はとても長いが、それでもほとんどの奴隷の人達は奴隷のまま人生を終えるのだから

奇跡の物語と言ってもいいだろう。


とても重い、考えさせられる深い作品だ。

感動というのとはちょっと違う、、家族との再会のシーンはちょっと泣けるけど。

普通にあたりまえに生活できることだけで幸せに思える、、

良い映画、観るべき映画、、

アカデミー作品賞だけのことはある。

ただし覚悟して観た方がいい、、、後味もあまり良くないし。


最期にテロップでこの実在の主人公がいつ、どこで、死んだのかわからない、、というような

、、、ええっ怖い!!  その後は奴隷制度廃止活動していたらしいから、、、そうなのかも?!

くま

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