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自由な黒人として音楽家をしていた男がある日突然奴隷となった壮絶な12年間の実話を描いた伝記ドラマ作品。
アメリカ南部を中心に奴隷制度が広がっていた1841年。ニューヨークに家族と一緒に住み自由黒人の権利を持つ音楽家のソロモン・ノーサップは、ある2人の白人からバイオリン弾きの仕事を依頼される。
この仕事を引き受けたソロモンは、仕事が終わった後にその2人と酒を飲み交わしいつの間にか酔い潰れてしまった。
翌朝目が覚めると、ソロモンは両手足を鎖で繋がれた状態で反抗しようものなら容赦なく鞭が飛んでくる。そんなソロモンは全く別の名前をつけられ、黒人奴隷としてアメリカ南部のニューオリンズへ向かう船に乗せられてしまう…
『あきらめない。』
現代社会でも差別や偏見はまだまだあります。これは様々な人種や社会格差そして文化の違いなどによって消え去る事は難しいでしょう。人間とは何とも醜い生き物であり、悪の部分を誰もが持合わせています。今でさえ住みやすくなった現代ですが、当時は手で顔を覆ってしまう様な事は多々あったと思います。
1番可愛いのは自分という言葉がありますが、明日は我が身という恐怖を胸に抱きつつ見て見ぬ振りをしてしまう周囲の人の表情に、胸を締め付けられます。
決して楽しむという映画ではありません。映画は楽しむものなのかもしれませんが、時として歴史や時代を学ぶ教材にもなります。日本の生活からは到底考えられない濁った歴史の一部を、白日の下にさらけ出す事が出来る映画の文化は素晴らしいと思っています。