てぃらみす

それでも夜は明けるのてぃらみすのネタバレレビュー・内容・結末

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

久々のレビュー!レビュー書きたい作品たくさんあるので、「お前それ今更…」な映画が多々出てくるとは思いますが、毎日ちょっとずつ書いていこうかと…!

今年のアカデミー賞作品賞を受賞した「それでも夜は明ける」。さぞかし重苦しくドラマチックに奴隷制度を描いているのだろうと思って観に行きましたが、なんだかすごく淡々としていて拍子抜けしました。が、実はあの「シンプルさ」がとても怖かったです。1人の人間がある日突然「物」として売られ、名前を失い、殴られ、首を吊られ、仲間の死に立会い…というとんでもない人生を、特に盛り上がるシーンを作ることなく、実にシンプルに単調に描く。1つの出来事が終わったかと思うと、次のシーンでもっとひどいことをされて…「この状況はいつ終わりを迎えるのか」と当事者でもないのに絶望を感じました。誰もが心の中では「おかしい」と思っているはず。でも声を挙げれば矛先は自分に向かってくる。じゃあ見て見ぬふりだ、というように狂った時代をやり過ごしていたのでしょう。

監督から出演者にいたるまで「アメリカ人でないこと」なのが吉とも凶(?)とも取れました。どう頑張ってもファスベンダーさんがアメリカ人には見えなかったです…(´・ω・`)
逆に吉と出たのはアメリカの歴史を第三者の視点から描けたことではないでしょうか?当のアメリカはこのような映画、死んでも作りたくないでしょう。
白人も黒人もみんなが異常な時代で流されるように生きているさまは、当事国でない出身の監督だからこそ撮れたような気がします。

奴隷役の方々はもちろんですが、奴隷主の白人役の方々も辛かっただろうなぁ…
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