Tai

それでも夜は明けるのTaiのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.8
いくつ夜が明けようが続く非条理な日々に絶句するしかありませんでした。

今日はキウェテル・イジョフォー初監督作品「風をつかまえた少年」を観に行くので予習しようとこちらを鑑賞!
とりあえず主演作だし、アカデミー賞受賞作だしで観てみたのですが…軽い気持ちで観て申し訳ありませんm(_ _)mな作品でした。
ただただ苦しく、米ドラマの「ルーツ」を授業で初めて観た時のような衝撃でした。

原題の「12Years a Slave」を手記したソロモン・ノーサップという実在した人物のお話です。
1880年代アメリカ北部でバイオリニストとして家族と幸せに生活をしていましたが、自由黒人であったにも関わらず拉致され、奴隷制度が合法だった地域へ連れて来られてしまい、白人に買われてしまうことに…

当然のように「自分は自由黒人であり何かの間違いだ!」と訴え続けるソロモンが徐々に奴隷としての生活に染まり心が折れていくのが辛かったですね(ー言 ー;)
他の奴隷達と歌うシーンは悔しくてたまらなかったです。
暴力、強姦、殺害なんでもありありすぎる奴隷所有者たち。
本当にこの手のお話を見る度に思うことなのですが人の事を「家畜」とか「汚い」など言っといてよくもまあ白人男性は奴隷の女性とセックスできるなと。
じゃあ、豚や牛ともしてろよとその場にいたら言ってやりたくなりますが、確実に頭を撃ち抜かれてしまいますね(;´Д`A
でも、男女としては〝人間〟として認識しているということを自ら証明してしまっているのに、なんでこんなことするんだと毎度考えてしまいます。
産業に必要な〝労働源〟であり、真っ当な報酬を支払っていてはまともな利益を得られないからとはいえ、この仕打ちは…
こんな形でしか成立しない制度は遅れをとるということを南北戦争が証明したのだと思いたいですね。

主演のキウェテル・イジョフォーといえばMCU「ドクター・ストレンジ」に出てくるストレンジ先生の兄弟子モルドを演じた方。
と思ったら…あ゛あ‼︎
ソロモンを買い取った白人、よく見たらストレンジ先生じゃないか‼︎
よく見たら「ブラック・パンサー」のナキアも!「X-MEN」シリーズのマグニートも!ブラピも!
…これは彼らの前世?ここから因縁の…的な?
なんて頭の片隅を明後日の方向に向けてないと辛くてやっていけないお話でした。

1番ゾッとしたのはエンディングで語られた彼のその後。
どうか安らかな最期であってくれ_:(´ཀ`」 ∠):
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